事実と謙虚に向き合えない毎日新聞の耐えられない軽さ③
毎日新聞はメデイアの重い責任を主張しているが、社説からして軽いのはいかがだろうか。
毎日新聞は「慰安婦問題」を女性の人権侵害の問題解決と考えてないらしい。
日韓間の「歴史認識問題」という視点で見ている。慰安婦問題は韓国だけの問題じゃない。他の地域でもあったということがわかっている。
それで女性の人権語るとかそれはないだろうに。
これだけでも十分軽いが、毎日新聞含め、各メディアは未だに吉田証言的強制連行のイメージにふりまわされているのであろうか、それともきちんと慰安婦問題を報道する気がないのであろうか。毎日新聞も含めたメディアの軽さはそろそろ勘弁してほしい。
「慰安婦狩り」をしたという故吉田清治氏の虚偽証言に基づく朝日新聞の慰安婦問題追及キャンペーン報道は、「奴隷狩り」「性奴隷」という誤ったイメージを国際社会に拡散させる結果を招いた。
社説で虚報誤報とは飛ばしてるなあとは思うが、とは言え産経新聞や読売新聞ではよくあることなので、こちらとしてはいささかマンネリ感がある。
そもそも、毎日新聞が「朝日新聞慰安婦問題追求キャンペーン報道」と称するものも「故吉田清治氏の虚偽証言」に基づくものではなく、「政府の関与なし。民間業者がやった」というのが「実は政府の関与があった文書があったと吉見教授が発見し朝日新聞が報道した」ことが「慰安婦問題追求キャンペーン報道に基づくもの」であるのを理解できていないらしい。
自社で報道できなくて、悔しいからといって虚報や誤報をしてもよいというわけではないと思う。
まあ各メディアがいまさらながら「吉田証言記事がー」というのは、元慰安婦の提訴や国が関与していたという文書の発見により、過去の朝日新聞の吉田記事がメディアで再発見され、慰安婦問題=吉田証言的強制連行イメージが撒き散らかし、様々な人が取り憑かれ、メディア自らも取り憑かれたように見えるんだけども。
まあ、それも慰安婦問題を報道した「朝日新聞様が過去報道したところから発見した記事だから間違いない」って取材も調査もせず、無責任に思い込んで報道したことが原因であって自業自得のような気もする。朝日新聞を含めて。
もちろん、国際社会において「性奴隷」という表現は「吉田証言的強制連行」を根拠としていない。クマラスワミ報告書を目の敵にしているようなので、そちらを根拠として出しておこうと思う。
クマラスワミ報告書の定義の部分を見てみたい。
6.特別報告者は、戦時、軍によって、また軍のために、性的サービスを与えることを強制された女性の事件を軍事的性奴隷制の慣行ととらえていることをこの報告書の冒頭で明らかにしておきたい。
7.この点で、特別報告者は、東京訪問中に表明された日本政府の立場を知悉しているが、日本政府は、1926年の奴隷条約第1条(1)に従って、「所有権に帰属する権限の一部又は全部を行使されている人の地位又は状態」と定義される「奴隷制」という用語を、現行国際法の条項の下で「慰安婦」事件に適用するのは、誤りであるとしている。
8.しかし、特別報告者は、「慰安婦」の慣行は、関連国際人権機関・制度によって採用されているところによれば、性奴隷制及び奴隷様慣行の明白な事例ととらえられるべきであるとの意見を持っている。この関係で、特別報告者は、差別防止少数者保護小委員会が、1993年8月15日の決議1993/24で、現代奴隷制部会から送付された戦時の女性の性的搾取及びその他の強制労働の形態に関する情報に留意し、戦時の組織的強姦、性奴隷制及び奴隷様慣行に関する高度の研究を行うよう、同小委員会の委員の一人に依頼したことを強調したい。さらに同小委員会は同委員に、重大人権侵害被害者の原状回復、補償及びリハビリテーションへの権利に関する特別報告者に提出された情報――「慰安婦」に関するものを含むが、それをこの研究の準備に際して考慮に入れるよう要請した。
9.さらに、特別報告者は、現代奴隷制部会が、その第20会期で、「第二次大戦中の女性の性奴隷」問題に関して日本政府から受け取った情報を歓迎し、かつ日本政府が行政的審査会を設置することによって「奴隷のような処遇」の如き慣行を解決するよう勧告したことに留意する。
10.最後に用語上の問題で、現代奴隷制部会の委員並びにNGO代表及び学者によって表明されたものだが、女性被害者は、戦時の強制売春及び性的隷従と虐待の期間中、連日の度重なる強姦と激しい身体的虐待に耐えなければならなかったのであって、「慰安婦」という言葉がこのような被害を少しも反映していないという見解に、特別報告者は完全に同意する。したがって、特別報告者は、「軍事的性奴隷」という言葉の方が、はるかに正確かつ適切な用語であると確信する。
これを素直に読む限り、クマラスワミ報告において、「性奴隷」という言葉が使用されたのには、吉田証言的強制連行については一切関係がない。むしろ「戦時の強制売春及び性的隷従と虐待の期間中、連日の度重なる強姦と激しい身体的虐待に耐えければならなかった」から「慰安婦」という言葉より「軍事的性奴隷」という言葉が正確かつ適切な用語であるとラディカ・クマラスワミ氏は行っているわけだ。
当然国際社会はこの定義を踏まえて「慰安婦」は「性奴隷」ということを理解しているのは、今年7月の国連人権規約委員会の日本審査で議長の言葉に表れている。
もし「慰安婦は性奴隷」のイメージは間違っているのならば、まず上記の定義が間違っているといわねばならない。つまり「戦時の強制売春及び性的隷従と虐待の期間中、連日の度重なる強姦と激しい身体的虐待に耐えければならなかった女性」が「性奴隷ではない」ということを主張しなければならない。
吉田証言的強制連行がなければ奴隷ではなく、どんな状態に置かれていたとして奴隷ではない。
この社説は国際社会から見ると人間の尊厳と権利に挑戦することを主張しているとしか思えない。もしかして、もしかするとただ理解してないのかもしれないけど。
日本政府の法的責任部分の反論については、マグドゥーガル報告書に記載、整理されているから紹介すると
(a)国際刑法の最近の研究成果は、過去の行為に遡及適用できない。
(b)奴隷制犯罪の規定は、「慰安所」によってできた仕組みにそのまま適用できるものではないし、また奴隷制の禁止は、第二次大戦の時点で適用可能な国際法の下での慣習的規範としてはいずれにしても確立してはいなかった。
(c)武力紛争下の強かん行為は、一九○七年のハーグ第四条か付属書〔以下ハーグ陸戦規則〕によっても、あるいは第二次大戦時に有効であった国際法の適用可能な慣習的規範によっても、禁止されていなかった。
(d)いずれにせよ、戦争法規は敵国民に対して日本軍が行った行為にのみ適用されるものであり、したがって、日本国民や第二次大戦当時日本に併合されていた朝鮮半島の住民には適用されない。
日本政府は法的責任を認めたくないばっかりに、旧日本軍は第二次大戦の時点で適応可能な国際法での慣習規範として「強かん」や「奴隷制の禁止」は禁止されてなかったから、国際法上問われるような犯罪じゃないとか、戦争法規は敵国民には適用されるが、自国民や併合されていた国には適用されないとかって反論してるんだが。
いやいやいやいや、言うに事欠いてそれはねーよと思う。
なんせ第二次大戦時の世界は「奴隷制」も「武力紛争下での強かん」も国際法の適用可能な慣習的規範によっても、禁止されていなかったから無問題と主張するんだから。
さらにそのような戦争法規は自国民や併合していた国の住民には適用されない(!!)
日本政府は見事に日本の名誉を汚してる。
それだけではなく、1996年の「人権委員」でもあった日本はかつて、クマラスワミ報告否決を目指し、反論文書を42ページも準備し、国連人権委員会事務局へ提出し、一部の政府代表に配布したはいいが、すぐに特別報告者を不当に中傷していると批判を浴びる。
まあ、ルワンダとかの話に必死で持っていこうとする点や慰安婦問題の今日的な意義を認めず、もう昔の話だから意味ないとか日本政府らしくてこうばしいんが。
しかし特別報告者を任命したのは委員会でその時に反対せず、報告書が出た時点で「あいつは中立じゃない」とかいったらそりゃあかんと思う。
【歴史戦】「クマラスワミ報告書」に対する日本政府の反論文書の要旨+(1/4ページ) - MSN産経ニュース
片山さつき Official Blog : 「従軍慰安婦問題に係る国連特別報告書」に関する質問主意書を提出致しましたので、全文掲載します。ご覧下さい。
片山さつき Official Blog : 先日、内閣に提出しました「従軍慰安婦問題に係る国連特別報告書に関する質問主意書」に対し、答弁書が戻ってきましたので全文を掲載致します。
結局反論文書の撤回を余儀され、隠蔽しようとしたが、国連人権委員会会場で配布され、すでにコピーが出回っていたので、多くの人権NGOがそのコピーを入手して、反論文書の存在がバレバレになり「あ、あれは説明資料っすから」と弁明しなければならなった黒歴史になった。
しかも姑息に「アジア女性基金とかがんばってます」と変えてることがわかる。
(産経新聞は素晴らしい仕事をしたというべき?)
ちなみに、こういうのは「日本の名誉が汚された」というのではなく
日本の名誉を自ら汚した。
というのではないかと。むしろ自業自得のような気もする。
よく言われるクマラスワミ報告は「事実誤認だー」だから無効にするとかにおいてもラディカ・クマラスワミ氏は、日本政府を含む国連人権委員会の決議によって特別報告者に任命され、日本政府の招待を受けて日本を訪問し、日本政府から情報提供を受けて、報告書を作成したわけで、勝手に報告書を書いたわけではない。
日本政府が適切かつ十分な情報を提供したにもかかわらず十分な報告書にならなかったのならばクマラスワミ特別報告者を批判することができるが、しかし、事実は逆ではないか。
また、特別報告者は、大韓民国および日本政府によって与えられた協力と援助にも感謝の念を表明したい。同国政府は、特別報告者が客観的かつ公平に人権委員会に対して報告するに必要なすべての情報と文書を入手するために、関係分野の人々と討議できるように取りはからってくれた。
のにもかかわらず
第二次世界大戦の直前及び戦争中における軍事的性奴隷の徴集について説明を書こうとする際、もっとも問題を感じる側面は、実際に徴集がおこなわれたプロセスに関して、残存しあるいは公開されている公文書が欠けていることである。「慰安婦」の徴集に関する証拠のほとんど全てが、被害者自身の証言から得られている。
のだから。
もし、報告書に不備があったとすれば、十分な調査をしなかった日本政府、必要な情報公開をしなかった日本政府にその責任があるのではないか。
だからこそ勧告では
第二次大戦中の日本帝国軍の慰安所及び他の関連する活動に関し、日本政府が所持するすべての文書及び資料の完全な開示を確実なものにすること。
が盛り込まれたのではないかと思う。
クマラスワミ報告後、狭義でいうところの強制連行の資料も出てきています。
「いわゆる従軍慰安婦問題に関連する資料等」に関する質問主意書
ちなみにクマラスワミ報告は1996年の国連人権委員会53会期は盛大な拍手でクマラスワミ報告者を迎え、「全会一致」でクマラスワミ報告者の活動を「歓迎」し、報告書に「留意」しました。大事なことなのでもう一度言います。「全会一致」です。日本政府も反対できなかったので、国会ではこんなこと言って誤魔化してる。
4-1 国連クマラスワミ報告 | Fight for Justice 日本軍「慰安婦」―忘却への抵抗・未来の責任
「あっあの時はあの朝日様が誤報したから国際社会やラディカ・クマラスワミ氏が誤解してたけど、そんな雰囲気じゃなかったから今は違うんだ」って言っても、そんな理屈が通じるのは、クマラスワミ報告の背景や意義、当時の日本政府の行動や見解を全く理解していないメディアと「名誉が汚された」とか言い張ってるおめでたい方々ぐらいだけでしょう。
安倍首相「朝日新聞が努力を」 慰安婦記事取り消し:朝日新聞デジタル
首相、朝日慰安婦報道に「世界に向って取り消しを」 - MSN産経ニュース
慰安婦誤報、朝日は周知努力を=安倍首相 (時事通信) - Yahoo!ニュース
米紙も朝日会見伝える NYタイムズ、それでも慰安婦問題「日本が数万人の女性に強いた」 - MSN産経ニュース
まずクマラスワミ報告から
日本政府は、1949年8月12日のジュネーブ諸条約及びその他の国際法文書は、第二次大戦期間中には存在しなかったから、同政府は、国際人道法違反について責任がないと主張する。この点に関して、特別報告者は、旧ユーゴスラヴィア国際刑事法廷設置に関する事務総長報告書(S/25704)の34、35パラグラフに次のような記載があることについて、日本政府の注意を喚起したい。
「事務総長の見解では、“nullumcrimesinelege”すなわち、『法なくして、犯罪なし』の原則の適用は、特定の条約に対しては、すべての国家による遵守を求めることができず、いくつかの国家だけによる遵守が求められるという問題が起きないよう、国際法廷は、疑いもなく慣習国際法の一部である国際人道法規則を適用すべきよう要求する………。
戦争被害者の保護のための1949年8月12日ジュネーブ諸条約、1907年10月18日の陸戦の法規慣例に関するハーグ第■条約及びその付属規則、1948年12月9日の集団殺害罪の防止及び処罰に関する条約(ジェノサイド条約)、並びに1945年8月8日国際軍事法廷条例に具体化されているように、疑いもなく慣習国際法の一部となった通常の国際人道法のその部分は、武力紛争に適用可能な法である」
事務総長によれば、国際人道法の一定の観点は、疑いもなく慣習国際法の一部とされているのであるから、特別報告者は、国家は、特定の条約の加盟国でなくとも、これら国際人道法原則の違反につき有責とされ得ると考える。
101.“rationetemporis”、すなわち、時間的適用制限原則のために、1949年ジュネーブ諸条約が慣習国際法の証拠ではないとされ、かつ1929年ジュネーブ条約については、加盟国でなかったが故に日本に対して適用可能でなかったとしても、日本は、1907年陸戦ノ法規慣例ニ関スルハーグ条約及びその付属規則の締約国であった。すべての交戦国が条約の締約国でない場合は(第2条)、同規則は適用可能ではなかったが、その条項は、当時機能していた慣習国際法の明白な実例である。ハーグ規則第46条は、家族の名誉及び権利を保護すべく国家を義務づけている。家族の名誉とは、強姦のような恥辱的行為を受けることのない家族内の女性の権利を含むものと解釈されてきた。
102.日本は、1904年の醜業ヲ行ハシムル為ノ婦女売買取締ニ関スル協定、1910年の醜業ヲ行ハシムル為ノ婦女売買禁止条約、1921年の婦人及児童ノ売買ニ関スル禁止条約を批准した。しかし、日本は、1921年条約第14条の特権を行使し、朝鮮をこの条約の適用除外とする旨宣言した。しかし、これは、朝鮮人でないすべての「慰安婦」がこの条約の下で日本がその責務に違反したことを主張する権利があることを示唆する。国際法律家委員会(ICJ)は/18、多くの事例でそうだったように、被害者がひとたび朝鮮半島から日本に連行された場合は、彼らに条約は適用可能になると論じている。これは、朝鮮女性の場合でさえも、多くの事例で、この条約の下で生じる国際責務に日本が違反したことを示唆する。また、この条約は当時存在した慣習国際法の証拠であるとも言える。
マクドゥーガル報告書では
第1節 法の遡及適用
◆25
ニュルンベルク裁判当時、被告側と一部の研究者は、人道に対する罪はこの裁判の憲章で新たに定義された罪であり、したがって、被告人たちの行為は、行為の時点での国際法には違反していないため、人道に対する罪での訴追は合法性の原則(「法律なければ犯罪なし」)に反すると異議を申し立てた(33)。日本はアジア全域にわたって「慰安婦」の奴隷化と強かんで国際慣習法に違反する行為を行ったとする元「慰安婦」たちの申し立てについて、日本政府も同様の主張をしてきた(34)。33 Bassiouni(本文注26) p.114~p.139, Appleman(前注25) p46~p.53, Hsu(前注23)p.109, note 84を一般に参照.
34 「女性に対する暴力」特別報告者が提出した報告書追加文書1(E/CN.4/1996/53/Add.1)に関する日本政府見解. 人権委員会第51会期に日本政府が非公式に配布した文書. p.15~p.19, p.23.
〔国連人権委員会第53会期にクマラスワミ「女性に対する暴力」特別報告者の報告書が提出されたとき, 日本政府は真正面から反論して, 報告書の否決を要求した. 日本政府は「女性に対する暴力特別報告者が提出した報告書追加文書1に関する日本政府見解」と題する反論文書を人権委員会事務局に提出した. 反論文書は公式に受理され, 国連の公式文書番号も決まり, 一部の政府代表に配布された. ところが, 反論文書は「特別報告者は中立性・客観性を欠き権限を逸脱している」と非難し, 「報告書採択は人権委員会の信頼性を失わせる」と攻撃するなど. 特別報告者を不当に中傷するものであることが判明したため, 日本政府は急速, 反論文書を撤回した. 国会質問に対して, 日本政府は文書の存在そのものを隠そうとしたが, 隠しきれなくなるや「説明用の参考資料」にすぎないと答弁した〕◆26
第二次大戦中には強かんと奴隷化という国際犯罪は慣習的規範で明確には禁止されていなかったので日本軍の加害行為はその実行時には禁じられていなかったと日本政府は主張するが、その主張は前述のように簡単に論破できる。同様の議論は、五〇年前のニュルンベルク裁判で最初に主張されたときも説得力はなかった。今日でも、これまで述べた理由により、説得力はない。第2節 奴隷制禁止
◆27
奴隷制の国際慣習法による禁止は第二次大戦時までには明確に成立しており、第二次大戦後、刑事裁判の準備のために国際慣習法を明文化した東京・ニュルンベルク両裁判憲章に盛り込まれた。国際慣習法としての奴隷制禁止は、戦争法規の下でも単独でも、武力紛争の性質のいかんにかかわらず、また武力紛争でない場合も、実体的違反行為を禁止する。第3節 強かんと強制売春
◆28
日本政府は、一九○七年のハーグ陸戦条約の「家族の名誉」という用語を、「慰安婦」を保護する条項として解釈することに反論しようとして、この条約は「陸軍に対する指示という形で、国内法として条約加盟国に受け入れられうるような一般原則を文書化したものにすぎない」と論じた(35)。要するに日本政府は、第二次大戦中、強かん行為は、ハーグ陸戦条約やその他の戦争法規によって文書ではっきりと禁止されてはいなかったと主張している。先に論じたとおりこの解釈は、ハーグ陸戦条約が戦争法規を統括する国際慣習法として受け入れられていたことや、武力紛争中の民間人に対する強かんの国際的禁止を他の諸戦争法規が確認していることで否定される。その結果、「家族の名誉」という用語に含まれる強かんの禁止は、第二次大戦当時すでに拘束力をもつ国際法であった。35 「女性に対する暴力」特別報告者が提出した報告書追加文書1(E/CN.4/1996/53/Add.1)に関する日本政府見解. 人権委員会第51会期に日本政府が非公式に配布した文書, p.24.
第4節 朝鮮の地位
◆29
日本政府はまた、奴隷化と強かんを禁止する国際慣習法規範は自国内の民間人には適用されず、占領地域の民間人のみを守る戦争法規に基づくものであるとし、そのため朝鮮人女性はその規範では保護されていないと主張して、責任を否定しようとしてきた。根拠は、問題の時期には朝鮮は日本に併合されていたため、この規範は朝鮮人女性には適用できないというものである。◆30
日本はこれらの条件の下でも責任を免れない。前述のように、奴隷制の禁止は、戦争犯罪だけに基づくのではない。加害行為が行われた当時の朝鮮半島の領土的地位のいかんにかかわらずこれらの行為は、戦時にも平時にも適用されうる国際慣習法上の犯罪であり、また人道に対する罪であって、国際慣習法の重大な違反として明らかに禁止されていた。その結果これらの規範は、占領地の民間人であったか否かにかかわらず、朝鮮人女性にも等しく適用されるのである。
マラスワミ報告をひっくり返すということは、クマラスワミ報告が示した武力紛争時における性暴力に対する訴追と処罰を否定することを、国際社会に日本が主張することになります。そんなことを国際社会や国連人権委員会が認めるわけがないのは自明の理なのがわからないないのでしょうか。これマクドゥーガル報告についても同じです。
クマラスワミ報告書やマクドゥーガル報告書を否定するってことはそういうことも含め考えないといけない。
それが理解できてなくてなにが「情報戦」「歴史戦」「クマラスワミ報告やマクドゥーガル報告は間違ってる」とかいう日本政府の黒歴史の復活を高らかに主張されても
何言ってんの、お前と言われておしまいだろう。
と思ったら、既に国連自由権規約委員会議長に今年の7月言われてた。
【メモ】国連・自由権規約委員会による日本の第6回報告審査の様子(とくにヘイトスピーチ関連) (5ページ目) - Togetterまとめ
議長は、「意見の対立があるようであるが私には理解ができない。私の頭が悪いのだろうか。「強制連行されたのではない。」といいつつ、「意図に反した」という認識が示されている。これは、理解しにくい。性奴隷である疑念があるなら、日本政府はなぜこの問題を国際的な審査によって明確化しないのか。」
【報告】国連自由権規約委員会は日本政府に何を求めたか ~死刑・代用監獄・慰安婦・秘密保護法・ヘイトスピーチ・技能実習生・福島原発事故~ : 秘密保護法対策弁護団
委員会は、戦時中の「慰安婦」は日本軍によって「強制的に連行」されたのではないとしつつ、慰安所の女性たちの「募集、移送、管理」は、多くの場合、軍や軍のために動いた組織によって、強圧や脅迫など一般的に意思に反して行われたとの、締約国の矛盾する立場に懸念を表明する。委員会は、被害者の意思に反して行われたどのような行動も、締約国の直接的な法的責任を伴う人権侵害だと捉えるに十分であると考える。
日本政府の黒歴史反論復活させたところで、クマラスワミ報告による結論を踏まえたマクドゥーガル報告書において「そんなわけねーだろ」ッて否定されていますので、無駄だし、むしろ悪い結果しか生まない。
大体慰安婦問題において日韓の歴史摩擦が激化したのは、そもそも吉田記事の誤報が原因ではない。慰安婦問題の被害者を中傷したり、否定したりすることが原因だったのは、池田信夫氏や西岡力氏を見れば理解できるであろう。
米国の慰安婦像撤去に向けて戦う日本人 これほどまでに大きい朝日新聞の虚報の罪:JBpress(日本ビジネスプレス)
慰安婦問題の主戦場アメリカへ、日本国民発信の意見広告を出したい | NPO活動を支援する | ファンドレイジングサイト JustGiving(ジャストギビング)
アメリカ国内での日本極右団体の工作活動 - 誰かの妄想・はてな版
【櫻井よしこ 美しき勁き国へ】潰すべきは「河野談話」+(1/4ページ) - MSN産経ニュース
「ミヤネ屋」が朝日新聞の慰安婦報道について特集「英語で訂正を」 - ライブドアニュース
世界中にばら撒かれた「慰安婦問題」が捏造である「完全なる根拠」 - 雑誌記事:@niftyニュース
(ちなみに上記の記事と永井和、吉見義明両氏と比べるのは永井和、吉見義明両氏に失礼ってもんです。)
日本軍の慰安所政策について (永井和氏)
(この研究によって西岡力氏などの「よい関与」説は破綻しているように思うんだが。さらにいうと何故性奴隷というべきかも書いてある。)
「従軍慰安婦」問題と歴史像-上野千鶴子氏に答える(吉見義明) - 東アジアの永遠平和のために (吉見義明氏)
(これは慰安婦問題を語る上で必読。現在の戯言が2009年に既に吉見教授によって指摘されているという重大事実を記憶すべき)
「いやったあ、朝日が謝った!コレで国際社会も誤解で日本の主張を支持するぜえ」的な安易そのものな考えが
「朝日は全然、反省していない」 櫻井よしこさんらが誤報を痛烈批判「言論テレビ」感謝イベント+(2/3ページ) - MSN産経ニュース
日本の立場や外交に深刻な問題を引き起こしているのは、今年の7月の自由権規約委員会の日本審査における議長の発言に現れている。
【メモ】国連・自由権規約委員会による日本の第6回報告審査の様子(とくにヘイトスピーチ関連) (5ページ目) - Togetterまとめ
今回のセッションには、慰安婦は強制連行されておらず、売春婦だったと主張している日米の団体の人たち約10人が参加していた。セッションでも慰安婦が性奴隷ではないとした政府代表発言に一斉に拍手したり、慰安婦問題について発言したマジョディナ委員をセッションの終了後に取り囲んで糾弾するという事件が起きた。これに対して、ロドリー議長は本稿末尾にも紹介したように、総括発言の中で代用監獄とともに慰安婦問題を「変わらない日本」を象徴する問題として取り上げた。そして、このような行為(慰安婦を性奴隷ではないとする発言に拍手する)ことは、許されない行為であると言明した。
「日本はいつだって正しいのでなんもいうな」という「無敵で無責任な人」を非難せず批判せず否定せず、放置したままにしておいた政府の責任を追求しなかったメディアの責任は、グローバル時代一層重いことをかみしめていただきたい。
日韓の歴史摩擦をいたずらに激化させる誤報の放置は、問題の本質を離れて日本の立場や外交に深刻な影響をもたらした。グローバル時代にあって、メディアの責任は一層重いことをかみしめたい
毎日新聞における「元慰安婦の人々の境遇への理解」がこの問題を論ずる入り口という考え方は「慰安婦は売春婦であって性奴隷でない」ということを吉田証言的強制連行の否定によって証明されたと主張する。
しかしそれは「事実にも基づかない誤ったキャンペーン」ということを理解していない。慰安婦問題の入り口はクマラスワミ報告にもある「戦時、軍によって、また軍のために、性的サービスを与えることを強制された女性の事件を軍事的性奴隷制の慣行」と理解すること、つまり「慰安婦問題は戦時性暴力問題」であると理解するべきなのだ。それを二度と起こさないためと同時に被害の救済をどういうふうに行うかということが問われている。それが全ての論の入り口でなければならない。
河野談話も見直すべきではない。談話は組織的な強制連行を認めたものではなく、吉田証言を採用してもいない。軍の一定の関与を認めて過去を反省し、女性の人権擁護に前向きに取り組む、というメッセージを国際社会に送ったものだ。見直せば、日本はこうした問題に後ろ向きな国と受け取られるだけだろう。
いつまで「世界に誇る河野談話」なんてこといってるから、非難され、否定されるべき橋下徹市長の「慰安婦が必要なことは誰だって分かる」や「風俗業を利用しください」等の発言に対し、「日米関係上問題になる」なんてすっとこどっこいなことになるんだろう。
橋下徹市長の発言は、かつての日本軍における性病管理や強姦防止策として「慰安婦」というシステムを肯定していることになるから。日本は慰安婦システムを否定しないことによって再び同じことを考えていると思われる。
既に日本は「女性の人権擁護に後ろ向きな国」としてすでに受け取られている。「河野談話を見直さない」だけではもう「過去を反省し、女性の人権擁護に前向きに取り組むメッセージ」とは思われない。
それが現在の人権における日本の評価であるし、そんなに外れてもいないような気がするのが残念でならない。
新聞をはじめとするメディアがさまざまな問題に光を当て、粘り強く伝えることは、社会的問題の解決や権力監視のためにも欠かせない。ただ、それは正確さと公正な判断が前提になる。不確かな事実に基づくキャンペーンは内外の世論を誤った方向へと導き、問題解決を遠のかせることになりかねない。
「新聞をはじめとするメディアがさまざまな問題に光を当て、粘り強く伝えることは、社会的問題の解決や権力監視のためにも欠かせない」ことと知っておきながら、日本政府の主張を最重要視し、国連自由権規約委員会における議長の発言があっても報道しない、批判しない、沈黙を守り、それを支えた新聞各社や各メディアの罪は重い。
【報告】国連自由権規約委員会は日本政府に何を求めたか ~死刑・代用監獄・慰安婦・秘密保護法・ヘイトスピーチ・技能実習生・福島原発事故~ : 秘密保護法対策弁護団
マジョディナ委員が慰安婦問題を取り上げた。河野談話の検証についても質問がなされた。これに対する政府の回答は、これまでの経緯をふまえ、日本政府としては強制連行の事実は確認できないが、当時植民地統治下にあり、「甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して」なされたと述べた。そして、今後も河野談話を継承すると述べたが、アジア女性基金を超える慰藉措置は示されず、慰安婦を「性奴隷」と呼ぶことは相応しくないと繰り返し述べた。マジョディナ委員は再度性奴隷制という発言は1926年の奴隷廃止条約の定義に基づくと発言したのに対し、政府代表はさらに、「奴隷制度の定義について、条約上の検討をした上で、この制度は性奴隷制の問題ではない。その定義に当てはまるものとは理解していない。性奴隷制度は不適切な表現である」と強く反論した。
今回のセッションには、慰安婦は強制連行されておらず、売春婦だったと主張している日米の団体の人たち約10人が参加していた。セッションでも慰安婦が性奴隷ではないとした政府代表発言に一斉に拍手したり、慰安婦問題について発言したマジョディナ委員をセッションの終了後に取り囲んで糾弾するという事件が起きた。これに対して、ロドリー議長は本稿末尾にも紹介したように、総括発言の中で代用監獄とともに慰安婦問題を「変わらない日本」を象徴する問題として取り上げた。そして、このような行為(慰安婦を性奴隷ではないとする発言に拍手する)ことは、許されない行為であると言明した。
このような緊迫したやりとりを背景に委員会は、勧告14項で、規約2条、7条、8条にもとづいて「委員会は、戦時中の「慰安婦」は日本軍によって「強制的に連行」されたのではないとしつつ、慰安所の女性たちの「募集、移送、管理」は、多くの場合、軍や軍のために動いた組織によって、強圧や脅迫など一般的に意思に反して行われたとの、締約国の矛盾する立場に懸念を表明する。委員会は、被害者の意思に反して行われたどのような行動も、締約国の直接的な法的責任を伴う人権侵害だと捉えるに十分であると考える。」としている。
そして、「戦時中、「慰安婦」に対して日本軍が行った性奴隷あるいはその他の人権侵害に対するすべての申し立ては、効果的かつ独立、公平に捜査され、加害者は訴追され、有罪であるとわかれば処罰すること。」「司法へのアクセスおよび被害者とその家族への完全な被害回復措置」「利用可能なすべての証拠の公開」「教科書への十分な記述を含む、学生と一般の人々へのこの問題に関する教育」「公式な謝罪を表明することおよび締約国の責任の公的認知」「被害者を侮辱あるいは事件を否定するすべての企みへの非難 のためあらゆる措置をとるべきことが勧告された。
だからこそ、この問題は日本の過去を問われ、現在を問われ、未来を問われ続けている。結局の人権の問題と考えず、日韓関係の問題や歴史認識の問題であるとして考えるから、毎日新聞は「問題の本質から離れて」しまったのではないか。
「女性のためのアジア平和国民基金」による償い事業や歴代首相の「おわびと反省の手紙」など、日本が道義的責任を果たしてきたことを世界に説明し、20万人の少女の性奴隷といった誤解を解く努力をする必要がある。
再び前述の黒歴史反論文書の復活の主張を言っておいて、なにを「道義的責任を果たした」といっているのか全くわからない。
歴代首相の「おわびと反省の手紙」の後、「謝罪する必要がない」と言い切ったのは当時首相で現首相の安倍晋三氏でした。散々「道義的責任(人として正しい道を守るべき責任)を果たさなかった。すみません。」と書いておいたあと、「あー終わった、終わった。実は日本には道義的責任もねーよ。あれ(慰安婦)なんて作り話だし」とか日本の「総理大臣」や「総理経験者」「与党所属議員」があんだけ暴言を放っておいて「道義的責任を果たしてきた」とか何を言っているのか意味がわかりません。
河野談話見直し「前政調会長の方針引き継ぐ」 自民・稲田氏「日本の名誉回復国民運動を」 - MSN産経ニュース
慰安婦問題の反省をゆるがせにせず、誤解は払拭(ふっしょく)していく。大事なのは、その二つを両立させる健全で良質なバランス感覚だ。
誤解も六階もない。あれだけ「慰安婦報道検証」とか朝日新聞や毎日新聞を含め、各メディアは話題にするくせに、きっちりと「慰安婦問題」を「報道」していない。
ほとんどが「朝日新聞が間違った―。朝日新聞だめだよね。」というような報道だ。
慰安婦問題はいつでもこうやって「不確かな事実に基づくキャンペーンは内外の世論を誤った方向へと導き、問題解決を遠のかせることになりかねない」ことを反省なく繰り返されてきた。もうそろそろいいだろう。
大事なのは「慰安婦問題の反省をゆるがせず」に「慰安婦問題に取り組む真摯な報道姿勢」であって「健全で良質なバランス感覚」ではない。
追記
すみません、駄文使いなので長くなりました。お詫びします。
追々記
誤字などを修正しました。