兎ノ森とツクラレシ花 Usagino-Mori’s Diary

小企業勤めの小市民のちみっちいココロとノウで書いてみます(仮)

クマラスワミ報告書反論文書という名の黒歴史文書④

のってるなー日本政府といわんばかりの第4章スタートです。

特に第4章は日本政府が以下にクマラスワミ報告書を曲解し、自己の主張に都合のいいように解釈しているよがりっぷりが目に見えて醜悪さが、いやんばかんなみに黒歴史文書っぷりを発揮しています。

のっけからからこれです。

なお、以下の理論は国際法の基礎知識として常識の範疇に属するものといえるが、国際法に精通していない法律家がしばしば陥りやすい盲点であるので注意が必要である。

自分以外が間違っているんですという主張がいやになるほど香ばしい。

(3)以上の諸点のとの関係で、法的論点に係る特別報告者の主張は法律的論理が欠如した主観的見解の表明であると言わざるを得ない。

(イ)詳細は後述のとおりであるが、条約への言及については、例えば、1929年の捕虜に関するジュネーブ条約に関する主張(パラ98)の如く、我が国が当事国でない条約を論拠として我が国の条約違反を主張したり(併せて当該条約の定める規範が当時において慣習国際法として確立していたことを立証しているのであればともかく、かかる立証を行っているわけでもない。)、1904年の醜業ヲ行ハシムル婦女売(旧字)買取締二関する國際協定に係る主張(パラ102)の如く、条約の規定内容を何等点検することなく短絡的にすべて「従軍慰安婦問題」に結びつけ我が国の当該条約違反を主張している。

(ロ)慣習国際法への言及については、何等の論拠を示すことなく慣習国際法であると主張しており、例えば1921年の婦女及び児童ノ賣買禁止ニ関スル國際條約に関する主張の如く、「諸国家の継続した慣行と法的・必要的信念」を何等検討することなく、また誰が論じているのかも明らかにしないまま、「同条約は、当時存在していた慣習国際法を示すものとして論じられている」旨述べている。

日本政府及び反論文書の作者はきちんとクマラスワミ報告を読んだのであろうか。

クマラスワミ氏はクマラスワミ報告の(パラ96)と(パラ97)において事務総長の見解をもとに法的責任を述べている。それも旧ユーゴスラヴィア国際刑事法廷と絡めてである。クマラスワミ報告に対してこのような反論する意味をわかっているのであろうか。事務総長にも喧嘩売ってどうしたかったのだろうか。

クマラスワミ報告

96.日本政府は、1949年8月12日のジュネーブ諸条約及びその他の国際法文書は、第二次大戦期間中には存在しなかったのであり、従って同政府にはは、国際人道法違反について責任がないと主張する。この点で、特別報告者は、旧ユーゴスラヴィア国際刑事法廷設置に関する事務総長報告書(S/25704)の第34節、第35節に以下のように書かれていることに、、日本政府の注意を喚起したい。

「事務総長の見解では、『法なくして、犯罪なし』の原則の適用をするためには、国際法廷において疑う余地なく慣習国際法の一部である国際人道法の規則を適用すべきであって、その結果、特定の条約に対してすべてのくにでなく一部の国だけが遵守するという問題は生じなくなる…疑いもなく慣習国際法の一部となった通常の国際人道法のその部分は、武力紛争に適用可能な法であり、戦争被害者の保護のためのジュネーブ条約(1949年8月12日)、陸戦の法規慣例に関するハーグ第Ⅳ条約及びその付属規則(1907年10月18日)、集団殺害罪の防止及び処罰に関する条約(ジェノサイド条約,1948年12月9日)、ならびに国際軍事法廷条例(1945年8月8日)に具体化されている。

97.事務総長にならって、本特報告別者は国際人道法のある側面は疑いもなく慣習国際法の一部であり、国は、特定の条約の調印国でなくても、これらの国際人道法に違反した責任を問われるものと考える。 

 

さらにクマラスワミ報告の(パラ98、99、100,101)について、日本政府は「諸国家の継続した慣行と法的・必要的信念」の存在がないので慣習国際法ではなかったと主張している。ちなみにパラ98、99、100、101の内容はこれである。

クマラスワミ報告

98.ジュネーブ第四条約第27条は、戦時下のレイプが国際戦争犯罪だとする原則を繰り返している。同条は「女性は、その名誉に対する侵害、特にレイプ、強制売春、その他あらゆる種類のわいせつ行為から特別の保護を受けるべきである」としている。戦場における軍隊中の負傷軍人の状態改善に関するジュネーブ条約は、1929年に施行され、日本は批准しなかったが、第3条で明確にこう述べている。「捕虜は、その身体及び名誉を尊重される権利を有する。女性は、その性にふさわしいあらゆる配慮をもって取り扱われなければならない……」

99.国際軍事法廷条例第6条(C)及び東京法廷条例第5条は、戦争前ないし戦時中に民間人に行われた殺人、殲滅、奴隷化、追放、その他の非人道的行為を人道に対する犯罪であると定義している。

100.これとの関係で、国際法委員会が第46会期の活動報告書で以下のように述べていることは重要である。「委員会は、慣習国際法上の戦争犯罪という範疇が存在するという広範な見解に同意する。その範囲は、1949年ジュネーブ諸条約の重大な違反の範囲と同一ではないが、重複する」としていることは重要である。

101.1949年ジュネーブ諸条約が時間的適用制限の原則のために慣習国際法の証拠とならないとみなされ、また日本は調印していない以上1929年ジュネーブ条約は適用できないとみなされたとしても、1907年陸戦ノ法規慣例ニ関スルハーグ条約には日本は加盟していた。すべての交戦国が条約の締約国でない場合は(第2条)、同規則は適用されないが、その条項は、当時機能していた慣習国際法の明白な実例である。ハーグ規則第46条は、国には家族の名誉及び権利を保護する責務があるとしている。家族の名誉には、家族の中の女性がレイプのような屈辱的行為を受けないの権利を含まれると解釈されてきた。

日本政府は恐ろしいことに「戦時下のレイプは国際戦争犯罪ではなく、女性は、その名誉に対する侵害、特にレイプ、強制売春、その他あらゆる種類のわいせつ行為から特別の保護を受けるべきではなく、当然軍にその責任はない」と当時の国際社会が考えていたと主張しており、さらに「捕虜は、その身体及び名誉を尊重される権利を有する。女性は、その性にふさわしいあらゆる配慮をもって取り扱わなければならない。そういったことは一般的に考えられていなかった」とも主張する。

そして「諸国家の継続した慣行と法的・必要的信念」がないため、故に習慣国際法でなかった。つまりには国際人道法は当時国際社会が認めていなかった。それが当時の世界の常識であり、旧日本軍も同じように考えていただけなのだと主張している。

つまり、戦争が終わるまでは

軍隊が来たら女性は逃げろ!捕虜になったら終わりだ。マジでヤバイ何をされるかわからん。(旧日本軍含め)なぜなら何をしても条約結んでなければ何をしてもいいからだ。

それが世界の常識であったと黒歴史文書は主張するが

それが当時の世界だけでなく、日本政府にとって大切な大切な旧日本軍の名誉をも十分貶めていると思う

日本政府は一体何を主張したかったのだろうか?よくわからない。

これを書きながら少し気になったことがある。

戦時中は占領されたら女性はレイプされ辱めを受けると政府は考え、国民にも同じような認識をさせたことをである。

戦後直後についても同じような発想でRAA(特殊慰安協会)まで設立したのは、つまりは戦時中及び戦後も日本政府及び旧日本軍はそういう認識のもとでいたからじゃなかろうかと思う。

しかし

旧日本軍及び政府がそうだったからといって

当時の国際社会がと同じ考えだった

と同意を求めても

そんなん誰も同意するわけがないでしょ

いや違った。橋下徹大阪市長は同意してたか(w

これだけではない。他にも

クマラスワミ報告

102.日本は、1904年の醜業ヲ行ハシムル為ノ婦女売買取締ニ関スル協定、1910年の醜業ヲ行ハシムル為ノ婦女売買禁止条約、1921年の婦人及児童ノ売買ニ関スル禁止条約を批准した。しかし、日本は、1921年条約第14条の特権を行使し、朝鮮をこの条約の適用除外とする旨宣言した。しかし、これは、朝鮮人でないすべての「慰安婦」がこの条約の下で日本がその責務に違反したことを主張する権利があることを示唆する。国際法律家委員会(ICJ)は/18、多くの事例でそうだったように、被害者がひとたび朝鮮半島から日本に連行された場合は、彼らに条約は適用可能になると論じている。これは、朝鮮女性の場合でさえも、多くの事例で、この条約の下で生じる国際責務に日本が違反したことを示唆する。また、この条約は当時存在した慣習国際法の証拠であるとも言える。

こちらを参考にするとクマラスワミ報告が一体何を問題視して、日本政府があえて曲解した上でトンチンカンな反論をしていることがよく分かる。


従軍慰安婦とは - はてなキーワード

醜業ヲ行ハシムル為ノ婦女売買禁止ニ関スル国際条約(大正14年条約第18号)

第1条 何人たるを問わず他人の情欲を満足せしむる為、醜業を目的として、未成年の婦女を勧誘し、誘引し、又は拐去(誘拐)したる者は、本人の承諾を得たるときと雖(いえども)・・・罰せられるべし。

 第2条 何人たるを問わず他人の欲情を満足せしむる為、醜業を目的として、詐欺に依り、又は暴行、脅迫、権力乱用その他一切の強制手段を以て、成年の婦女を勧誘し、誘引し、又は拐去したる者は・・・罰せられるべし。

吉見義明従軍慰安婦』p164.165)

読めば分かる話である。

しかし日本政府は(5)において

日本帝国陸軍により設置された慰安婦制度が国際法上の義務違反であると主張しているところ、そもそも右が売春を目的とするものであるか否かの議論はさておき、醜業不売買の規制に関する一連の条約との関連では、売春宿の経営や売春のための場所の提供を処罰の対象としたのはあくまで1950年の条約が初めてであるところ、1950年の条約により創設された規範が1904年、1921年の条約作成時点においても有効であったとの遡及効果を認めることにはやはり無理があるのであり、あくまで適用しようとする行為が行われた時点における当該規範の内容を逐一点検する必要があるのである。一般に、条約の作成時点において所定の規範に照らして合法とされた当事者の行為が、時代の変遷にと共に同規定の内容が精緻化された後に違法とされることは著しく法的安定を害するものであることは言うまでもない。

と、クマラスワミ報告のパラ102における国際法上の責務の違反内容を「売春宿の経営や場所の提供が問題とされてる」とあえて1950年の条約に合わせて曲解し、問題を回避しようとしている姿がよく分かる。

(5)なお、条約又は慣習国際法に基づく一定の規範が確立している場合であっても、その具体的対象事項及び権利などの実現のための手続きが時代とともに変化し、精緻化していく場合もある。かかる傾向は、特に、人権・人道関連条約に多く、戦争における悲惨な経験等を踏まえて徐々に対象事項が具体的になり、また権利等の実現のための手続きが整備され、精緻化していくのである。例えば、後に詳述するが、醜業婦売買の規制に関する一連の条約は対象事項の精緻化の典型的な具体例として挙げられよう。即ち、1904年の醜業ヲ行ハシムル等婦女賣買取締二関スル國際協定は、外国における醜業を目的とする婦女売買に関する関係国間の情報交換等につき規定するにとどまっていたものが、1910年の醜業ヲ行ハシムル等婦女賣買取締二関スル國際条約及び1921年の婦人及児童ノ賣買禁止二関スル國際条約では醜業目的の婦女誘引者等の処罰につき規定され、更に、1950年の人身売買及び他人の売春からの搾取禁止に関する条約では、売春宿の経営や売春のための場所の提供をも処罰の対象とするようになり、徐々にその内容が精緻化されていった点に注目する必要がある。

日本政府は「諸国家の継続した慣行と法的・必要的信念」の存在があるからこそ、醜業婦売買の規制に関する一連の条約は内容が精緻化されていったと考えられなかったのか、これもやはり責任回避するには稚拙であるとしか言いようが無いと思う。

その挙句が(5)のこれである。

人権侵害を受けた被害者又はその家族による加害国家への補償請求を可能とする法の遡及適用を認める議論はおよそ過去の戦争により人権被害を受けた被害者又はその遺族はすべて加害国家に対して補償請求を行うことが可能であると結論を招くことになるが、世界史における数々の戦争の被害者の遺族等が今日、加害国家に対して補償請求権を行使することができるとすることが、現在の国際関係を根本的に混乱させるものであることは論を待たないのであり、また、かかる事態を招くような規範が国際法として確立していることにつき、国際社会の多数の国が同意乃至許容していると考えることは根本的に無理があるのである。 

この主張はしかも人権委員会において人権委員会にも喧嘩売ることを意味する。

なぜなら(パラ118)において

クマラスワミ報告

118.人権委員会はまた、個人の賠償への権利の問題を解明することに関心を表明している。その決議1995/34で、同委員会は、差別防止少数者保護小委員会が、同小委員会の基本的自由と人権の重大な侵害被害者の原状回復、賠償及びリハビリテーションへの権利に関する特別報告者の最終報告書(E/CN.4/Sub.2/1993/8,chap.IX)が提示した基本的原則及び指針に考慮を払うよう奨励した。

 とことわった上で人権委員会がテオ・ファン=ボーベン重大人権侵害報告書における基本原則及び指針をを考慮して(パラ118~122)は成立するからであり、それは人権委員会が奨励した基本原則及び指針であるからだ。

それを真っ向から否定して日本政府は何を主張しているのだろうか。

クマラスワミ報告

123.法的責任を主張しようとするいかなる試みも遡及的適用であると暗に反論する日本政府の基本的主張に対しては、国際人道法は慣習国際法の一部であるとの反論がなされるであろう。この点で、「この条のいかなる規定も、国際社会の認める法の一般原則により実行の時に犯罪とされていた作為又は不作為を理由として裁判しかつ処罰することを妨げるものではない」と定めている、市民的及び政治的権利に関する国際規約第15条第2項に留意することが有益であろう。

124.時効があるに違いないとか、あるいは第二次大戦後約50年も経ったという議論もまた、適切でない。被害者の権利尊重の立場から、犯罪に関する法、政策及び慣行は、時効を認めない。この関係で、原状回復への権利に関する特別報告者は、その報告書で、「人権侵害のための実効的救済が存在しない間の期間に関しては、時効は適用されてはならない。重大人権侵害の請求権に関しては、時効に従うものとされてはならない」/25と述べている。

わざわざそれについて触れている。

なのに天然なのかワザとかと言うと間違いなくわざととしか言うべき結論を導き

(6)具体的には、特別報告者は、その主張の一環として1949年のジュネーブ条約等の戦後の国際法を根拠に戦前及び戦中の行為が違法であったとの主張を展開し、我が国の国家責任を結論付けており(パラ96及び97)、また、前出のどおり醜業婦売買の規制に関する一連の条約を挙げたり(パラ102)、更に、ヘーグ陸戦規則第46条の「家の名誉及び権利」についても既にその内容として女性が屈辱的強姦を受けない権利が含まれていたと断定した上で(パラ101)、右権利に基づき個人としての補償請求権まで認めれると主張している。

この主張が国際社会に認められることはない。

なぜならクマラスワミ報告を「曲解」して「日本政府の主張に基づいた捏造」して、報告書ならびにクマラスワミ氏、人権委員会、事務総長を非難しているのだ。

これがⅠ.特別報告者報告書付属文書1に係る国際法上の基本論点の整理の内容だ。

 しかし

「いやー日本政府は国際法詳しいなあー、俺らわかってなかったんやな」

とかなると思っていたんだろうか。常識的にまず間違いなく

喧嘩売ってんの?お前ととられると思うんだが。

日本政府の主張は

クマラスワミ報告どころか事務総長、人権委員会すら

「お前ら間違っとる。国際法分かってないくせに何言ってんねん。日本が正しいねん」

 ということだからだ。またクマラスワミ特別報告者に対して、日本政府が主張した反論の焼き直しどころか繰り返しての主張である。

もはやクマラスワミ報告ですでに切り捨てられたものを未練がましく繰り返して再提出する。一体何を理解しているのであろうか。

忘れないでいて欲しいのだが、あくまで日本政府の立場は

日本政府としても、旧日本軍の関与の下、多くの女性の名誉と尊厳がつけられたいわゆる従軍慰安婦問題を深く反省し、官民挙げてこの問題に誠実に対応するとともに、この問題を一つの教訓として、「女性に対する暴力」の問題一般解決のために国際社会に協力していくべきと考えている。

昨年の国連総会において、我が国は、女性の暴力に関する基金をUNIFEM内に設置するための決議を提案し、採択されたが、今後この基金に応分の資金協力を率先して行っていく所存である。政府としては、今後とも国際社会と一致協力して「女性に対する暴力」の問題に取り組んでいきたい。

ということ、この問題を教訓として女性の暴力の問題一般解決のために国際社会に協力していく立場である。あくまでとにかく自国の反論の正当化を主張してどうなるのか、全く意味がわからない。

さて次回は本格的に独善的で自国の主張を中心に世界に喧嘩を叫ぶ日本政府のコメントⅡ.特別報告者付属文書Ⅰの個別の法的論点に対する具体的コメントに移ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

クマラスワミ報告書反論文書という名の黒歴史文書③

ようやく第3章を締めくくれる。

そしてキマシタ。

4.その結果、本件付属文書の記述は、一面的、かつmisleadingである。

(1)いわゆる従軍慰安婦の問題は極めて複雑である。その実態は、地域に

 よっても千差万別であるとともに、歴史的に見てもかなりの変遷が

 ある。また、既に50年、60年が経過していることによる事実認識の

 困難さもある。

 (2)ところが、特別報告者は、上記のような問題の複雑性は顧慮せず、

 何冊かの刊行物その他極めて限定された資料と、若干の「証言」に

 安易に依拠しつつ、それらを一面的に 一般化して、あたかも本件付属

 文書に記述されていることが、すべて真実であるかのような誤った印象を与えるようなものである。

 黒歴史反論文書の「第3章 事実面に関する反論」を締めくくる4.にふさわしいオープニングであり、黒歴史文書史上に残るべき、残念すぎる黒歴史名文である。

日本政府の反論文書がなぜ問題なのかということを語っていただいている上に、すべて物語っている上に「慰安婦問題否定論者」や「偽史信奉者」の「慰安婦問題本」のよくやるやつに対する痛烈な批判であろう。誰に向かっての攻撃だ(笑)

しかもサービス満載の「たとえば」によって例示されるこの事実

(3)たとえば、1944年に米国陸軍戦時情報局心理作戦班がビルマにおいて

 19歳から31歳の朝鮮慰安婦20名を尋問した結果を記録した「心理チー

 ム報告書№49」の中には、また別の慰安婦像が示されていることが

 示されていることも事実である

いやいやいや素晴らしい「たとえば」による「事実の例示である」

それってこれのことでしょう。


心理作戦班日本人捕虜尋問報告(Japanese Prisoner of War Interrogation Report)四九号 - 誰かの妄想・はてな版


「日本人捕虜尋問報告 第四九号」ビルマ、1944年10月1日 - 15年戦争史

そう日本政府の黒歴史文書が自信満々に言い出した(3)の「たとえば」の直後

1944年に米国陸軍戦時情報局心理作戦班がビルマにおいて19歳から31歳の朝鮮慰安婦20名を尋問した結果を記録した

 これですよ。これはこれを訳して語っているんでしょうけど、

This report is based on the information obtained from the interrogation of twenty Korean "comfort girls" and two Japanese civilians captured around the tenth of August, 1944 in the mopping up operations after the fall of Myitkyin a in Burma.

Prisoners: 20 Korean Comfort Girls」見つけて、有頂天になってその直後のtwenty Korean "comfort girls" and two Japanese civilians capture見落としてしまっとる。もしくはトリミングしている。内容云々以前の問題として尋問対象者をmisleadingさせる間違いを記述してどうする。

そして(3)はこう締めくくられる。

特別報告者たる者は、多様な事情を虚心に分析して、バランスのとれた判断を行わなければならない。本件付属文書のごとき偏見に基づく一般化は、歴史の歪曲に等しい。

 これあかんやつだ。

見ているこっちの心まで痛くなってしまった。

反論文書が「黒歴史文書」というのはこういうところである。

つまりあとから読んでみてあまりのイタさ

恥かし、恥かし、恥かし、恥かしともだえ苦しみ、

封印!の旅に出てしまいそうなところである。

ちなみに、産経新聞や正論、テキサス親父や阿比留記者、古森記者などは同じような手法でつまりは何が書かれているかということを最後まで確認せず、トリミングか読み飛ばしか見落としかは知らんが、ある文章の部分を切り出し、それを貼り出して「これが歴史の真実だ」!的などや顔で「だから慰安婦問題はうんぬん」と語りだす。なんという黒歴史テンプレ、なんという様式醜。

彼らは封印の旅に出ず、どこか別の世界に旅立っているようですが。

そういう方々にわれらが黒歴史文書は素晴らしきオチと訓示を用意してくださっています。よく心にしてほしいと思う。

第3章の4.オープニングのお言葉である

いわゆる従軍慰安婦の問題は極めて複雑である。その実態は、地域に

よっても千差万別であるとともに、歴史的に見てもかなりの変遷が

ある。また、既に50年、60年が経過していることによる事実認識の

困難さもある。

 上記のような問題の複雑性は顧慮せず、何冊かの刊行物その他極めて限定された資料と、若干の「証言」に安易に依拠しつつ、それらを一面的に 一般化して、あたかも本件付属文書に記述されていることが、すべて真実であるかのような誤った印象を与えるようなものである。

 であり、

多様な事情を虚心に分析して、バランスのとれた判断を行わなければならない。本件付属文書のごとき偏見に基づく一般化は、歴史の歪曲に等しい。

という訓示であろう。まさに 黒歴史反論文書の「第3章 事実面に関する反論」を締めくくる4.にふさわしいオープニングであり、黒歴史文書史上に残るべき、残念すぎる黒歴史名文であり、ありがたいお言葉でしょう。

それに比べれば

5.ところで特別報告者は、いわゆる従軍慰安婦問題についての日本政府

  の調査結果に対し、十分な注意を払うべきであった。 

といいながらも

日本政府の調査の存在については特別報告者も若干言及しているが(パラ129)、日本政府の調査結果を特別報告者がどうのように評価しておられるのかについて、残念ながら明らかにされていない。

という

はいっ日本政府のチラ見ツンデレいただきましたー!

のである。ちなみに日本政府の「チラ見ツンデレ」に関していうと、日本政府の調査については「日本政府めんどくさっ!」が感想である。

それは以前のエントリ

クマラスワミ報告書反論文書という名の黒歴史文書① - 兎ノ森とツクラレシ花 Usagino-Mori’s Diary

においても紹介させていただいた。

是非クマラスワミ報告書とご自身の黒歴史反論文書を読んでいただき、デレていただきたいものである思うがはどうであろうか。

その④

クマラスワミ氏のいう事実は嘘です。クマラスワミ氏は日本を批判したかっただけの人。だって日本政府の調査結果をそのまま発表しなかったからの結論

(1)以上のとおり、本件黒歴史反論文書いおいて記述されている事実関係は信頼するに足らないものであり、これを前提とした日本政府の立論は「黒歴史反論文書」として十分に成り立ち、黒歴史反論文書特別報告者として「まともな反論文書」として受け入れる余地はない。

6.(1)以上のとおり、本件付属文書において記述されている事実関係は信頼するに足らないものであり、これを前提とした特別報告者の立論を、日本政府として受け入れる余地はない。

(2)なお、黒歴史反論文書特別報告者としては、本件日本政府が、50年ないし60年以上も前の問題について責任ある調査を行う立場であるにもかかわらず、まともに報告書を読まず、また一体何の調査をしたのかさっぱりわからない「たとえば」における事実の提示などや、「僕の報告書読んでないー」と言い張る謎のツンデレ加減など、「責任ある調査を行う立場」が調査した結果として、いかなる意図をもって本件反論文書を提出したのか、そもそもの合理性に対し、強い疑問とと激しい様々なツッコミを覚えるものである。

(2)なお、日本政府としては、本件特別特別報告者が、50年ないし60年

以上も前の問題について責任ある調査を行うことができなかったにもかかわらず、いかなる意図をもって本件付属文書を提出したのか、そもそもの合理性に対し、強い疑問を覚えるものである。

(3)黒歴史反論文書特別報告者は、日本政府がこのように無責任かつ不適当な反論文書を国連人権委員会に提出したことを遺憾に思うとともに、日本政府の黒歴史反論文書の取り扱い方によっては、日本政府のそのものに対する国際社会の信頼を損なう結果となることを深く憂慮するものである。

(3)日本政府は、本件特別報告者がこのように無責任かつ不適当な本件付属文書を国連人権委員会に提出したことを遺憾に思うとともに、人権委員会の本件付属文書の取り扱い方によっては、特別報告者制度一般ひいては人権委員会そのものに対する国際社会の信頼を損なう結果となることを深く憂慮するものである。 

日本人捕虜尋問報告49号についてはscopedog様、MARC73様の記事を参考にさせていただきました。駄文使いよりお礼申し上げさせていただきます。

次は第4章法律面に対する反論なのですが、そこに描かれた日本政府にさすがに引いてしまった駄文使いの溜息を書いていきたいと思います。

えーと

続く?

 

クマラスワミ報告書反論文書という名の黒歴史文書②

前回の続きです。第3章3からでした。

日本政府とばしております。

3.第2に、本件付属文書は、本来依拠するべき資料を無批判に採用している点においても不当である。

(1)例えば、特別報告者は、従軍慰安婦の募集の為slave raidを行った

  とする吉田清治氏の著書を引用している。(パラ29)

  しかし、同人の告白する事実については、これを実証的に否定する

  研究もあるなど(秦郁彦教授「昭和史の謎を追う(上)p334、

  1993)、歴史研究者の間でもその信憑性については疑問が呈せら

  れている(パラ40)。特別報告者が何ら慎重な吟味を行うことなく

  吉田氏の「証言」を引用しているのは、軽率のそしりを免れない。

まあちょっと落ち着いたらどうだろう、黒歴史文書作成者さん。

まあ日本政府のしても秦郁彦氏の研究を絶対視していないようで、というか自信がないのか吉田証言については「これを実証的に否定する研究ある」と反論しています。

そうか「否定する研究ある」のか。

じゃあ併記した方がいいじゃなかろうか。

だからこそ(パラ40)においてのクマラスワミ氏は「慎重な吟味」の一環として吉田清治氏の著書についての秦郁彦氏の反論を紹介したのではなかろうか。

40.特別報告者は東京の歴史家、千葉大学秦郁彦博士が「慰安婦」問題にかんする幾つかの研究、とくに済州島での「慰安婦」の状況について書いた吉田清治の著書に反論したことを指摘しておく。博士の説明では、彼は1991~92年に大韓民国済州島を史料収集のため訪れたが、「慰安婦犯罪」の主犯は実際には朝鮮人区長、売春宿の持ち主及び少女自身の親たちでさえあった。教授の主張では親たちは娘の徴集の目的を知っていたというのである。議論の裏付けとして秦博士は、1937年から1945年にかけての慰安宿のための朝鮮人女性徴集システムの二つのひな型を示した。どちらのモデルも朝鮮人の親たち、朝鮮人村長および朝鮮人ブローカーたち、すなわち民間人たちが日本軍のために性奴隷として働く女性たちの徴集に協力し、役割を果たしたことを知っていたことを明らかにしている。秦博士はまた大部分の「慰安婦」は日本陸軍と契約を結んでおり、月あたり兵隊の平均(15~20円)の110倍(1000~2000円)もの収入を得ていたと信じている。

黒歴史反論文書が「軽率すぎて」もうどうしたらいいのか(笑)

そしてここからがすでにクマラスワミ報告書を怒りのあまり「慎重な吟味」どころか己を見失っている姿が見える。

(2)また、特別報告者が、恐らく旧日本軍の残虐性を意図的に誇張

   するために第4章「証言」の中心に据えたのであろう。

   北朝鮮在住の女性の「証言」は、特別報告者が直接聴取していな

   い「伝聞証言」である。これらの「証言」は、人権センターの

   職員により聴取されたとのことであるが、疑問点があれば

   特別報告者自ら問い質して確認するなどの努力もなしに、いかに

   供述の真実性を確認することができたのか、全く不明である。

ええっと、まあとりあえず

もちつけ。

落ち着いた上で、まずはクマラスワミ報告書の(パラ53)を読もう。

53.特別報告者は、この報告の紙数が限られているため、三国すべてで聞いた16の証言の僅かしか要約できなかった。しかし特別報告者は、全ての陳述についてそれらを聞くことができたことの重要性を強調しておく。そのことによって当時一般的であった状況のイメージを作り上げる事が可能となったからである。以下の証言は軍事的性奴隷の現象のさまざまな側面を例示するために選ばれたもので、そうした軍事的性奴隷制が日本帝国陸軍の指導者たちにより、またその認知のうえで、組織的かつ強制的に実施されたことを特別報告者に信じるに至らしめたものである。 

日本政府の主張する第4章の証言は「以下の証言は軍事的性奴隷の現象の様々な側面を例示するために選ばれた」のである。

「恐らく旧日本軍の残虐性を意図的に誇張するため」ではない。

そもそもクマラスワミ氏は(パラ6)において「戦時、軍によって、また軍のために、性的サービスを与えることを強制された女性の事件を軍事的性奴隷制の慣行ととらえている」上に、それが今日的な問題として検討されていることは「クマラスワミ報告書」をきちんと読めば分かる。

だからこそ

(パラ45)においてクマラスワミ氏が

45.第二次世界大戦中のアジア地域における軍事的性奴隷の問題にかんして、特別報告者は政府および非政府組織の情報源から豊富な情報と資料を受け取った。そこには被害女性たちの証言記録がふくまれていたが、それらは調査団の出発前に注意深く検討された。本問題についての調査団の主要な目的は、特別報告者がすでに得ている情報を確かめ、全ての関係者と会い、さらにそのような完全な情報に基づいて国内的、地域的、国際的レベルにおける女性にたいする暴力の現状、その理由と結果の改善にかんして結論と勧告とを提出することにあった。その勧告は、訪問先の国において直面する状況を特定したものになるかもしれず、あるいはグローバルなレベルで女性にたいする暴力の克服を目指すもっと一般的な性格のものになるかもしれない。

 と考え報告書で述べたのではないか。

その上でクマラスワミ氏が重要視したのが(パラ51)であろう。

51.この報告の目的は、本件解決のために将来の行動方針を促進するため、本件の関係者、すなわち朝鮮民主主義人民共和国大韓民国及び日本政府の全ての意見を正確かつ客観的に反映させることにある。しかしさらに重要であるのは、この報告の意図が、暴力の被害をうけた女性たちの声に人々が耳を傾けるようにすることである。女性たちは特別報告者が会うことのできた人たちであるが、フィリピン、インドネシア、中国、台湾(中国の省)、マレイシアおよびオランダにおける他の全ての元「慰安婦」に代わって発言したのである。これらの証言は、自らの尊厳の回復と、50年前に彼女たちの人身にたいして犯された残虐行為を認めることを現在要求している生存女性被害者の声なのである。

 なお日本政府は

北朝鮮在住の女性の「証言」は、特別報告者が直接聴取していない「伝聞証言」である。これらの「証言」は、人権センターの職員により聴取されたとのことであるが、疑問点があれば特別報告者自ら問い質して確認するなどの努力もなしに、いかに供述の真実性を確認することができたのか、全く不明

 とここでもまた、クマラスワミ氏がさぼっているかのように攻撃している。

そんな黒歴史感溢れる日本政府にはクマラスワミ報告書の序文を差し上げたい。

序文

1.女性に対する暴力の特別報告者は、大韓民国と日本政府の招待で、女性に対する暴力とその原因及び結果のより広範な枠組みの中で、戦時の軍事的性奴隷制問題について高度の研究を行うため、1995年7月18日から22日の間ソウルを、1995年7月22日から27日の間東京をそれぞれ訪問した。朝鮮民主主義人民共和国の提案に基づき、その招待で、特別報告者は、同じ問題について1995年7月15日から18日の間平壌訪問をも予定していた。しかし、1995年7月25日付け書簡で同政府に連絡した通り、特別報告者は、乗り継ぎ航空便の遅延のため、朝鮮民主主義人民共和国を訪問できなかったことについて心からの謝罪と深甚なる遺憾の意を表明した。

2.同書簡で、特別報告者は、朝鮮民主主義人民共和国外務大臣金栄南(キム・ヨンナム)閣下に対して更に保証した通り、1995年7月15日から18日の間平壌を予定通り訪問した人権センターの代表、並びに特別報告者にかわって受領され、彼女に送付された詳細なすべての情報、資料及び文書を完全に信頼している。また特別報告者は、双方にとって都合のよいときに朝鮮民主主義人民共和国を訪問する意志があることも表明した。この点で、特別報告者は、朝鮮民主主義人民共和国政府の柔軟性と協力に感謝しているのであるが、同国政府は、1995年8月16日付けの特別報告者宛の書簡で、同国政府としては、朝鮮民主主義人民共和国を訪問した人権センターの代表に渡された情報、資料及び文書を、特別報告者が報告書の準備に際し、注意深く研究し、考慮に入れることを望むとした。

3.また、特別報告者は、大韓民国および日本政府によって与えられた協力と援助にも感謝の念を表明したい。同国政府は、特別報告者が客観的かつ公平に人権委員会に対して報告するに必要なすべての情報と文書を入手するために、関係分野の人々と討議できるように取りはからってくれた。

4.訪問に際し、政府代表および非政府組織代表との協議を通じて、高度の討議ができ、また戦時の軍事的性奴隷制の女性被害者と面会できたことで、特別報告者は、被害者の要求と当該諸政府の立場を深く理解できた。またそれらを通じて、特別報告者は、いかなる問題が未解決であって、さらに当面の問題事項についていかなる措置が今取られつつあるのかを、よく理解できた。

5.特別報告者は、この報告書の主題の論議が、朝鮮半島の被害者のみならず、元「慰安婦」被害者の全ケースに適用されるべきことを強調したい。特別報告者は、財政的・時間的制約のために、すべての関係国の生存被害者を訪問できなかったことを残念に思う

 「序文」ぐらい読めよ~(泣)

しかもクマラスワミ氏だけじゃなく人権センターの団員すら攻撃していると気づいているのだろうか。

そもそもクマラスワミ報告書の方が先に書かれているのである。

後出しでこれだけグダグダってのはなかなか素晴らしい黒歴史である。

決して褒めてませんが。おかげで第3章がまだ終わらない。

しかしようやく「第3章 事実面での反論」の結論に辿り着く。 

長くなったので続きます。

すみません、思いの外、第3章の3が酷かったので

続くにします。

そうです駄文使いの(偽)兎が悪いので、その点大目に見てくだされば有難いです。

ただ言い訳をすれば、もうちょっとまともな反論文書ならこれだけ引用せずにすんだんだと恨んでます。ほんま何とかならんか。

 

次回予告

心理作戦班日本人捕虜尋問報告四九号でいきなり反論文書に嘘発覚で日本政府は黒歴史感をサービスサービス。

相変わらずの例えばの貧困さに(偽)兎はどうする。(どうしよう)

 

 

 

 

クマラスワミ報告書反論文書という名の黒歴史文書①

そんなにまあ、露悪趣味全開でドヤ顔ができるものだ。

厨二病全開の黒歴史文書を公開とか、むしろ悶絶もんだと思う。

こんな反論文書作るぐらいだったら素直にクマラスワミ報告に従っていた方が「日本の名誉」や「戦後の人権に対する日本の態度」を汚さないで済んだとしか思えない。

 

【阿比留瑠比の極言御免】クマラスワミ報告書に反駁 幻の反論文書を公開すべき(1/3ページ) - 産経ニュース

 

さすが産経新聞のエース。

日本の名誉とか利益を貶めても自社の売上のためなら、手段を選ばない(笑)。

普通こういうのを売国的行為というだと思うのですが、当の産経新聞が誰かに向かって売国だーとか言っていたり、「バイコク」「アイコク」と鳴くペットを飼っているので、一体何なんだこの新聞はとしか言い様がないのです。

まあ、「歴史戦」だのという中二も真っ青のタイトルの「黒歴史自己出版新聞社」として歴史に名を残すでしょう。 

しかも永久保存版とか言っとるし。

 というかアホだろ、このセンス。

しかし、政治的に言ってしまえば中二病全開の恥ずかしMAX発言も「立派な主張」になるというのはかれらががどんだけ劣化しているということの証拠かもしれない。

 ちなみに阿比留記者は取材もしないで捏造記事をお書きになって裁判沙汰になった上に、会社に損害を与えた素晴らしい記者です。

ああ、そういえば安倍晋三首相の発言についても独自のソースから捏造記事をおかきになっております。

なので従軍慰安婦問題について取材するには「産経新聞において」は最高の人材であろうことは間違いなく、「産経新聞以外の世界において」は最悪の人物です。

だからこそ、日本政府が慰安婦問題においてどう考えていたのかを考える上では公開すべきだと(偽)兎は思っています。

本来は語られるべきだった内容が思わぬところから日の目を見た。それは「日本が慰安婦問題をどう考えているのか」ハッキリさせておいた方が「国益だの何だのより大事だ」と考えるかで。

従軍慰安婦問題についての日本政府の考えを理解することは、今だからこそ重要なことでしょう。

さて、クマラスワミ報告者反論文書は国連人権委員会において反論しようとして、配布したはいいが、配布された国から「コレアカンやろ」といわれて、慌てて差し替えたといういわくつきの「黒歴史」文書です。

基本

俺は悪くない。世界が悪いんだ!

が根底にあり、

過去の俺の悪行は過去の国際社会の常識。

で貫かれている文書だからです。

要旨を簡単に言うと

  • 日本は従軍慰安婦問題を「今後の」女性の暴力の一般解決に対する教訓にしている。その証拠に基金をつくろうと言ったり、お金を出している。日本は取り組んでるんだ!ドヤア
  • 50年以上も前の従軍慰安婦問題で日本の話より、ユーゴやルワンダの話でしょ。もう話にあげんなや、クマラスワミ(激怒)
  • 「ざ~んねんでーしたー。サンフランシスコ平和条約及びその他に二国間条約結んだってことは、条約締結時に発覚していなかった事件や犯罪があってもチャラに出来るんだわ。これ国際法の常識。そんなこともわからんと締結したの?」
  • クマラスワミ氏の事実は嘘です。日本を批判したかっただけじゃねーの?だって日本政府の調査結果をそのまま発表しなかったから。
  • そもそも、植民地の人々や自国民は捕虜待遇は関係ないし(えええー)、戦前は奴隷は当たり前だったし、強姦とかOKってのが戦前の国際社会の常識だったし、そもそも条約結んでないので「そういうのOK」な軍隊なんです。
  • なおかつニュルンベルク裁判とか不当だし。(これは暗に訴えている)

「反論することで、かえって慰安婦問題の議論を起こしかねないと懸念したため」つまりは「こんなんだしたら問題がもっと悪化する」と思ったからでしょう。

その判断は正しい。

従軍慰安婦問題に触れてほしくない日本政府にとってそれは回避するべき事態であった。そういう判断はよくも悪くもよく分かるkれども。

ところがその判断も「慰安婦問題に対する日本政府の不実」と偽史作成に勤しむ擬似歴史を信奉する集団により無駄になそうである。

やめておいた方がいい。

あくまで幻として存在しなかったことにした方がよかったのではなかろうか。

彼らはそれすらも、もはや判断が付かないのだろう

 クマラスワミ報告書反論文書を手に入れて喜んでいた産経新聞および正論の編集者、さら言えば岸田外務大臣や山田国会議員ははちょろっと読んで「これでイケる」とか思ったのだろうか。

産経新聞の要旨では省かれているが、雑誌「正論」平成26年6月号ではとんでもないことが記載されている。

クマラスワミ報告書に対する日本政府の幻の反論文書とは、「女性の暴力に関する特別報告書(クマラスワミ女史)提出にかかる報告書付属文書1(E/CN.4/1966/53/Add.1)に対する日本政府の見解」というらしい。

どうすれば、こんなんでクマラスワミ報告に「反論」できると思ったのだろうというような内容にしか見えない。

順番に解説していこう。

 

その①

日本は従軍慰安婦問題を「今後の」女性の暴力の教訓にしている。その証拠に基金をつくろうと言ったり、お金を出している。日本は女性に対する暴力に対して貢献しているんだ!( ・´ー・`)どや

 

黒歴史反論文書の1.「女性に対する暴力」問題への我が国の取り組みでは

日本政府としても、旧日本軍の関与の下、多くの女性の名誉と尊厳がつけられたいわゆる従軍慰安婦問題を深く反省し、官民挙げてこの問題に誠実に対応するとともに、この問題を一つの教訓として、「女性に対する暴力」の問題一般解決のために国際社会に協力していくべきと考えている

と書かれている。従軍慰安婦問題は「女性に対する暴力の問題一般解決のため」の一つの教訓として「国際社会に協力していくべきと(日本政府)は考えている」ということだ。つまりは従軍慰安婦問題を解決することは女性に対する暴力の問題一般解決のための教訓になると主張している。だからわざわざ

昨年の国連総会において、我が国は、女性の暴力に関する基金をUNIFEM内に設置するための決議を提案し、採択されたが、今後この基金に応分の資金協力を率先して行っていく所存である。政府としては、今後とも国際社会と一致協力して「女性に対する暴力」の問題に取り組んでいきたい。

という文書を入れたんだと思われる。

じゃあ、もっと従軍慰安婦問題取り組むんだろうと思っていた時期が他の国にもあったんでしょう。

その②

50年以上も前の従軍慰安婦問題で日本の話より、ユーゴやルワンダの話でしょ。もう話にあげんなや、クマラスワミ(激怒)

工エエェェ(´д`)ェェエエ工ー

(1)特別報告者のマンデートではクマラスワミ報告書に従軍慰安婦問題が取り上げられたことが気に食わないようで

クマラスワミ報告者のマンデートは、「女性に対する暴力、その原因及び結果」に関し報告を行うことである。現在の国際社会においては、旧ユーゴ―、ルワンダの問題等、未だ有効な対策が講じられていない女性に対する暴力という深刻な問題が進行中であり、国際社会はこのような問題の解決を待ち望んでいる。にもかかわらず、クマラスワミ特別報告者は、50年以上前の出来事で、あって、かつ、日本政府が関連する条約などに従って誠実に対応してきている「従軍慰安婦」問題をあたかも現代における女性の暴力に関する最重要課題であるかのごとく最初の提出文書において取り上げており、極めて不当である。

要するに日本政府は「旧ユーゴ―」や「ルワンダ」における「女性に対する暴力」に対して目を向けさせることで、「従軍慰安婦問題」から目をそらさせようとしたのだ。

そもそも「女性に対する暴力、その原因及び結果」に対して特別報告者がマンデートされたのであれば、それに関することであれば、別に従軍慰安婦問題を取り扱うかどうかは特別報告者の権限の裁量であろう。

別に特別報告者は日本政府のパシリではないのである。

しかもちょっと前に「女性に対する暴力の問題一般解決」のための教訓にするといったのにもかかわらずこの発言である。

特別報告者も日本政府がそのようにすると思ったのであろう。

だから取り扱ったのだ。

なおかつ従軍慰安婦の問題が現代的な問題でもあることと考えていたともいえる。

大体日本政府が「旧ユーゴ―」にしても「ルワンダ」の話をするにしても、まずクマラスワミ報告に従い、従軍慰安婦問題を女性に対する暴力の問題一般解決のための教訓となるべく国際社会に協力してからの話ではなかろうか。

きちんと読めば、クマラスワミ報告はあくまでも女性に対する暴力の問題一般解決となるべく、従軍慰安婦問題については取り扱われている。

その③

「ざ~んねんでーしたー。サンフランシスコ平和条約及びその他に二国間条約結んだってことは、条約締結時に発覚していなかった事件や犯罪があってもチャラに出来るんだわ。これ国際法の常識。そんなこともわからんと締結したの?関連国馬鹿ですか?」

それは(3)法的議論の問題点(イ)にも記載されてる。

そもそも日本政府の主張は

いわゆる戦後処理のための平和条約において等においては、個人の損害を個別に検討しこれを合算して賠償額とする方法によらずに、関係国家間の合意により一定額を包括的な賠償額とみなして処理する共に、その他一切の請求権を相互に放棄する旨の規定、即ち、他に未賠償請求権があっても追求しないという「完膚条項」を設けることが一般的である。サンフランシスコ平和条約、その他二国間条約もこの方式に従って、個人の損害も含めて国家間において賠償等の問題を最終的に処理している。クマラスワミ特別報告者は、従軍慰安婦問題は平和条約などの交渉過程において言及されていないから元従軍慰安婦に対する補償は右賠償額等に含まれていないと主張しているが、これは上述した条約の規定及び締結国の意思を無視したものと言わざるを得ない。

というものである。

前出した日本政府の「関連する条約等に従って誠実に対応している」などという反論は、関連国をあきれさせただろう。

「関連する条約等を盾にして従軍慰安婦問題に対応して」いて何を言ってるんだ?

つまりは元従軍慰安婦個々人に対し直接補償を行うことは「サンフランシスコ平和条約及びその他の二国間条約」の規定及び締結国の意思を無視することになるといっている。

つまりは

サンフランシスコ平和条約及びその他に二国間条約の規定及び締結国の意思は、その当時言及されていようがいまいと、元従軍慰安婦個々人に対し直接補償を行ってはならないとのことなので、日本政府としてはそれを尊重せざるを得ない。」

 そんなことねーよ。

 (3)法的議論の問題点(イ)には他に

特別報告者の展開する個人的な主張は、旧連合国、アジア近隣諸国等と我が国が過去50余年にわたって国際法に則り誠実に対応してきた先の大戦の戦後処理ばかりか、各国が過去の戦争において行った戦後処理の法的枠組みによる解決が最終的なものであることも否定することになる。

従軍慰安婦個々人に直接賠償することは日本政府だけではなく、旧連合国、アジア近隣諸国いや世界の国にとってもつまりは「国際社会にとり到底受け入れられるものではない」と言っている。

日本の都合を世界の都合と拡大させ、

だって世界だってこまるだろうドヤァ

とかいったところで、

 なにいってんだ、お前?意味わからない

といわれてしまうだろうし、実際そうなって撤回したのだろう。

ここには日本政府の「従軍慰安婦問題が女性に対する暴力の問題の一般解決に対しての教訓にするための努力をする気がなく、女性に対する暴力の問題について国際社会を盾に取り組むことを拒否することができると考えていた」姿を見ることができる。

そりゃ批判浴びて当然だろう。しかも日本政府は特別報告者に対する中傷や誹謗している上に国際社会を中傷誹謗し、世界をバカにしているのかと言われても仕方のない反論をしているのだから。

その④

クマラスワミ氏のいう事実は嘘です。クマラスワミ氏は日本を批判したかっただけの人。だって日本政府の調査結果をそのまま発表しなかったから。

それが「第3章 事実面に関する反論」に書かれている。

ここが一番ひどい。

いきなりこれです。

1.日本政府は、以下のとおり、付属文書1がその立論の前提としている事実に関する記述は、信頼するに足りないものであると考える

 報告書全否定。

こことここが足りないというのではない。

「事実に関する記述は信頼に足らないというものである」と全否定している。

次にいきなり、特別報告者(ここではクマラスワミ氏)攻撃に入る。

 2.第1に、本件特別報告者の事実調査に対する姿勢は、甚だ不誠実である。

(1)本来、特別報告者は、そのマンデート事項につき、史料原典を幅広く収拾したうえ、これら資料を中立的かつ専門的立場から十分吟味、分析して報告を行うことが期待されているのである。

(2)本件付属文書第2章「歴史的背景」において、特別報告者は、旧日本軍の慰安所に関する歴史的経緯や、いわゆる従軍慰安婦の募集、慰安婦における生活等について記述しているが、同章の記述は、実は、ほぼ全面的に、日本政府に批判的な立場のG.Hicks氏の著書から、特別報告者の結論を導くのに都合の良い部分を抜粋して引用しているに過ぎない。

(3)特別報告者がこのような一般刊行物に拠する場合、特別報告者が、G.Hicks氏の著述内容について、自ら十分な裏付け調査を行わなければならないことはその職責上当然のことである。しかしながら、本件附属文書の場合、なんらそのような検証が行われた形跡がない。その上、引用に際し、特別報告者は、随所に主観的な誇張を加えている。このように無責任かつ予断に満ちた本件付属文書は、調査と呼ぶに値しない。

 

こんないい加減なもん出す、クマラスワミ氏と特別報告者として不適格なんじゃね?

と言っているのである。

大体、「報告書の付属文書だけが不適格」で「特別報告者が不適格人物だ」とか既に周りが見えていない日本政府の様子がよく分かる。

そりゃ、批判浴びるわ

そもそも

黒歴史文書は「ほぼ全面的に」「形跡がない」とか説明しているが、それなら当然日本政府は自らの立場に批判的なG.Hicks氏の著述に対する調査もしていたんでしょう。

なら、なんでクマラスワミ氏が日本に来た時ソレを説明しなかったんだって話になる。説明したのに聞き入れられなかったという話ではない、そもそもそういう話をするのはクマラスワミ氏が日本に来た時いうことであって今更であろう。

クマラスワミ氏は日本政府の招待で来日しているのであるし、調査については日本政府も協力しているのである。それについてクマラスワミ氏は感謝しているのにかかわらず、協力していなかったのである。必要な対応をしなかったという「国連の特別報告者に対して不誠実を国家として働いた」というまあすごいことをしていることになるのだ。

 しかも、歴史的背景についてもG.Hicks氏からの引用とはしているものの、日本政府が政府が黒歴史文書において肯定している内容が含まれているのである。

第2章 日本の取組み

〈略〉

2.いわゆる従軍慰安婦問題に関する調査と資料の公開

(3)日本政府は、これらの調査から得られた資料や証言を分析、検討し、その結果を、1993(平成5)年8月4日発表した。その骨子は次のとおりである。

慰安所が当時の軍当局の要請により設営された。

◯慰安書の設置、管理および慰安婦の移送について旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。

慰安婦の募集については軍の要請を受けた業者が主としてこれにあたったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、官憲等が直接これに加担したこともあった。

こっちはクマラスワミ報告書「歴史的背景」より

13.これらの女性や少女たちは、上海と南京のあいだにあった軍直営の慰安所で使われた。この慰安所は後の時期の慰安所の原型となり、利用規則とともにその写真が残されている。軍による慰安所の直営は、この現象がもっと広まるとともにより安定してきた環境では、慰安所の基本の形とならなくなった。慰安所を経営し所内の業務を引き受けたがっている民間業者が沢山いた。かれらは陸軍によって軍人に準じる身分と階級をあたえられた。軍は輸送と慰安所の全般的な監督についての責任をもちつづけたし、衛生や全体の管理は軍の責任であった。

14.戦争が続き東アジア各地を拠点とする日本兵の数が増えるにつれて、軍事的性奴隷にたいする需要も増大した。そこで徴集のための新しい方法がつくりだされた。そのうちには東アジアの多くの地域、とくに朝鮮における詐欺と暴力の頻繁な利用が含まれていた。名乗り出たおおくの朝鮮人慰安婦」の証言は、強制や騙しが頻繁に用いられたことを明らかにしている。(大部分は朝鮮人である)かなりの数の被害女性たちは証言のなかで、自分たちの徴集に責任のあるさまざまな業者や現地の協力者が用いた詐欺と甘言について語っている。/1

/1は日本政府が否定するG.Hicks氏の著書従軍慰安婦-日本軍の性奴隷たち』から引用しているが、黒歴史反論文書において「第2章日本の取組み2.日本政府が慰安婦問題に関する調査と資料の公開」において行った調査とどのくらい差があるだろうか。むしろ日本側が行った調査をクマラスワミ報告書が補完する形になっているように見える。

ここから考えられることは日本政府の資料や文書などの補完としてG.Hicks氏の著書や証言が用いられた、もしくはG.Hicks氏の著書や証言を肯定するものとして日本政府の資料や文書が存在したとは考えられないだろうか。

クマラスワミ報告序文より

また、特別報告者は、大韓民国および日本政府によって与えられた協力と援助にも感謝の念を表明したい。同国政府は、特別報告者が客観的かつ公平に人権委員会に対して報告するに必要なすべての情報と文書を入手するために、関係分野の人々と討議できるように取りはからってくれた。

 むしろ日本政府が協力して出した文書と情報がクマラスワミ報告書に反映されたのであって、「第2章 日本の取組み」の( ・´ー・`)どや顔と直前の自らの文章すら否定する「第3章 事実面に関する反論」の周りが見えていない興奮状態ををみると黒歴史文書感がより一層感じられる。。

.ちなみに第3章3からはもっとひどくなります。

長くなりますので続く!

 

追記 

ちょこっとだけ訂正しました。

 

 

 

 

橋下徹氏の軽率さは笑うに笑えない状態をつくる。

本当は笑ってしまったが、結果は笑えない。

橋下徹vs在特会・桜井誠 【全】10/20

橋下大阪市長と在特会会長が「罵り合い」10分間の不毛なバトル(全文書き起こし)|弁護士ドットコムニュース

 

【ヘイトスピーチ】橋下徹・大阪市長vs桜井誠・在特会会長「意見交換」(2014・10・20、大阪市役所) - Togetterまとめ

 

【橋下市長VS在特会】面談詳報(上)「お前それでも男かよ!」「座れ、勘違いすんなよ」 至近距離で一触即発に  (1/3ページ) - 産経WEST

【橋下市長VS在特会】面談詳報(中)「地方の首長ごときが…」「お前みたいな差別主義者」 “敵意”むき出しの応酬続く (1/3ページ) - 産経WEST

【橋下市長VS在特会】面談詳報(下)「帰れ!」「ここは市役所。お前が帰れ!」面談はわずか10分弱で打ち切られる(1/3ページ) - 産経WEST

 

まあ、橋下徹氏が公開面談するときはいつもこうだ。

 高 史明(TAKA, Fumiaki)さんはTwitterを使っています: "橋下は普通の人が"さすがにこれ以上他人に対して礼儀を失することはできない"と考えるラインを踏み超えることで相手よりも優位である

橋下話法に対して素晴らしい見解である。

いつもの通り挑発し、全うに会話しようとする人間が唖然とし、勝利宣言する。高校生(だったけか?)の時もそうだったのでそうしたかったのだろう。

まあ、在特会桜井誠氏も面談前に「おれはお前ら呼んでいない」とこの「極左」だのこの方の判断基準は「在日」か「極左」か「自分とそのフォロアー」しかないのだろうともはやチンピラとしか思えない発言を繰り返していてどっちもどっちのような気がしてはいた呆。

妖狐×僕SSで全てを「SかMか」で判断した青鬼院蜻蛉かお前は!と突っ込んでしまいそうだったし。

ヘイトスピーチ在日コリアンへの攻撃を「朝鮮人への批判」という言葉ですり替え「表現の自由」とかのたまわっているところはあきれてものも言えない。

橋下徹氏と在特会の面談については「茶番だった」としかいいようがないし、本来「在特会の主張を大阪市は容認しない。ヘイトスピーチに対してはきちんと対応していく。その根拠はコレで」というようなことをするべきだったのにもかかわらず、行わなかった。大阪市長としての責務を果たさず一体何をしているのかという意味でも、在特会の主張の否定すらせずに茶番にした橋下徹氏の責任は十分に重い。

 

橋下徹氏の主張によるとこれは狙いだったらしい。

「在特会の宣伝に使われないようにした」 橋下市長、荒れた面談の“狙い”を説明 - 産経WEST

橋下氏は21日、記者団の取材に「あのような場で論理的に意見交換して解決するなんてあり得ない」と述べ、応対や打ち切り方を考えていたとした。一方、在特会が批判する在日韓国・朝鮮人らを対象にした特別永住者制度については「特別扱いすることはかえって差別を生む」と問題があるとの認識を示した。その上で、ほかの外国人と同じ制度に一本化する必要があるとの考えを明らかにした。また、これまで表現の自由の観点からヘイトスピーチ規制には否定的だったが、この日は「表現の自由憲法で保障されているといっても、一定の制約を課さざるを得ない」との認識を示した。

橋下徹氏は「あのような場で論理的に意見交換して解決するなんてあり得ない」と思っていても在特会側にこう主張するべきであった。

「どんな主張であっても、ヘイトスピーチ在日コリアンへの攻撃は一切許されない。ヘイトスピーチ在日コリアンに対する攻撃することで通される主張は一切ない」

 そういうことができなかった橋下徹氏の完敗である。

さらに何を思ったのか橋下徹氏面談後結果全く思いもしなかったことを言い出す。

橋下氏「特別永住資格の見直し必要」 憎悪表現対応で:朝日新聞デジタル

在日韓国・朝鮮人らに認められている特別永住資格について「どこかの時点で、通常の外国人と同じような永住者制度に一本化していくことが必要になる」と述べ、維新として見直しを検討していく考えを示した。理由について「特別扱いは差別を生む」とし、在日韓国・朝鮮人への攻撃を抑える狙いもあると説明した。

中略

特別永住資格は終戦前に日本に居住し、日本国籍を持っていた在日韓国・朝鮮人や子孫らに対して認められている。再入国の審査で顔写真撮影が省かれるなど「一般永住資格」とは違った対応を受ける

「今後は僕を攻撃すればいい」と橋下市長 ヘイトスピーチ問題で面談の在特会に - 産経WEST

在特会側は在日韓国・朝鮮人らを対象にした特別永住者制度を問題視。橋下氏はこの日、「特別扱いすることはかえって差別を生む」と制度には問題があるとの認識を示し、ほかの外国人と同様に制度を一本化していく必要があるとの考えを明らかにした。

これでは在特会の「特別永住者資格制度は特権」ということに橋下徹氏自らお墨付きを与えてしまったことにならないか。そもそも在特会在日コリアンに対して差別的であるから特別に見えているだけに過ぎない。

在特会側の主張はこうだ。

 平和条約国籍離脱者等入管特例法」によって認められた資格である。もちろん、他の外国人にはこのような資格は与えられておらず、在日韓国人朝鮮人を対象に与えられた特権といえる。紛れもない外国人でありながら、日本人とほぼ変わらぬ生活が保障されている。

しかし安田浩一氏の批判にもあるようにそもそも在留資格であり権利ではない。

しかもなぜ特別永住資格というものができたのか経緯を全く理解していない。

協定永住では2代目までの永住資格をあたえられていなかったから3代目以降の永住者資格が認められになった上に、協定永住では韓国籍しか選択できなかったが朝鮮籍にも永住資格が付与できるようになったというものである。

1952年のサンフランシスコ講和条約発効により、かつて日本国籍を有していた在日コリアンは記号としての「朝鮮籍」となり、無国籍状態となった。1965年に日本は韓国と国交を樹立し、韓国籍を選択した人は本人の申請によって2代目まで永住資格を与える、「協定永住資格」を設けた。さらに1991年入管特例法が施行され、3代目以降の永住許可が認められると同時に、韓国籍のみならず朝鮮籍にも永住資格が付与されるようになったが、これが「特別永住資格」である。「権利」ではなく、「資格」なのである。 

 在日コリアンKEYワード‐キーワード‐「在日特権」

橋下徹氏の面談後の会見は「在特会ヘイトスピーチをやめれば、特別永住資格は特権と認めこれを見直す」ということだ。しかもそれが在日コリアンに対する攻撃を防ぐためですとか頭が悪すぎるだろう。

これは在特会側の主張を認めたことになる。

もし在特会側が「特別永住資格をやめたらヘイトスピーチ在日コリアンに対する攻撃をやめる」と主張したら橋下徹氏は「特別永住資格をなくすことは在日コリアンのためです」とおしすすめるのだろうか。

それはヘイトスピーチ在日コリアンの攻撃をすることによって在特会側が自らの主張を国政政党の代表に通すことができた成功例になってしまうだろう。

それは在特会側にとってはまさに狙い通りであったというしかない。

大事なことなどで二度いう。

在特会ヘイトスピーチ在日コリアンへの攻撃をすることにより橋下徹氏への面談を勝ち取り、さらには譲歩まで引き出した。

そういう橋下徹氏の軽率さが本当に笑うに笑えない。

 

 

 

 

 

 

 

 

靖國神社と国家神道の信仰という心の問題

日本には国家神道の代表的施設であり、単立宗教法人であり、戦没者追悼施設になっている靖國神社以外にも戦没者慰霊施設がある。

千鳥ヶ淵戦没者墓苑である。

千鳥ケ淵戦没者墓苑 - Wikipedia

千鳥ケ淵戦没者墓苑[環境省]

こちらは第二次世界大戦戦没者の遺骨のうち、遺族に引き渡すことができなった方の墓というこだが、政教分離の原則から特定の宗教宗派に属さない施設とされている。だから仏教やキリスト教神道などの各種宗教団体が行事を行うということだ。

だから毎年行われる年中行事は異常としか思えない。

みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会 - Wikipedia

国会議員111人が靖国神社に参拝 NHKニュース

 国会議員が国のために命をささげた方々に感謝の誠をささげるのは自然なことだ

 この後当然千鳥ヶ淵戦没者墓苑にも参拝するのでしょうね、先生方は。

「遺族に遺骨を引き渡せなかった、第二次世界大戦戦没者には感謝を誠をささげないが、遺族に遺骨や引き渡した戦没者には感謝の誠をささげるのは自然なことだ」という考えは非常に不自然で罰当たりだ。

さらにいうと軍人以外でなくなったかたには感謝の誠をささげないのであろうか。

安倍首相の行動も異常だ。秋の例大祭に参拝せず

17日に真榊(まさかき)と呼ばれる供え物を奉納

これは国家神道の代表的宗教施設であり、宗教法人である「靖國神社」の秋の例大祭に参加しているのと同じではないか。参拝しなくても例大祭には参加しているのである。

 

これは安倍首相や前述の国会議員は「国家神道を信仰していて、その行事に参加したいのだ」としか理解できない行動なのである。

 

個人として、それでもどうしても国家神道を信仰したいのであれば(戦前の国家神道を知ったうえで)信教の自由が憲法で保障されている以上、「やめといたほうがいいよ」ぐらいはいうと思うが、止めることはできない。確かに心の問題であろう。

だから極右や戦前に後戻りしたいのかという批判や非難は浴びせられても「その通りと考えます」という覚悟や思想があると考えられても仕方がない。

国家神道や靖國神社はそもそもが戦後日本と相いれないものであるからだ。

だから「国会議員や首相、内閣が靖國神社を国家神道を信仰したいのは自然なこと」というのは全く違うのだ。それは公私混同もはなはだしい。それこそ政教分離の原則に違反する。

小野寺前防衛相「情報戦略で中韓に負けてはいけない」 1200人参加 - 産経ニュース

 自民党政調会長代理の小野寺五典・前防衛相は「来年は終戦から70年だ。中国や韓国は『あのひどいことをした日本』という形で宣伝し、必死におとしめようとしてくる。情報戦略で負けてはいけない」と訴え、「米国や欧州に平和国家70年の貢献を宣伝することも大事だ」

と本当に思うなら、そういう意味で問題の多い靖國神社ではなくこちらを国家の戦没者追悼施設にすればよいと思う。

平和国家70年の貢献を宣伝するならこれほどよいこともないだろう。

産経新聞や小野寺自民党政調会長代理は自民党産経新聞の論調として行ってほしい。随分と日本の評価が上がると思う。

また「国際情報戦」とやらを戦うに当たってはこういう言葉に対しても批判や非難があってもしかるべきだと思う。

 靖国参拝:山谷、有村両氏も 高市氏含め安倍改造内閣で初 - 毎日新聞

 

 国策に殉じた方々に感謝と哀悼の誠をささげた。そのことは自由に自らの意志に従って行うものだ

高市氏は戦没者が「国策に殉じた」から「感謝と哀悼の誠をささげる」のだろうか。

戦前にこんな日本はオカシイと国策に殉ぜず、国策に対して抵抗することに殉じた方々には感謝もしないし、哀悼の誠を捧げないのであろう。

「戦前の日本の国策は、戦後日本からみても正しく、その国策に殉じた方々には感謝と哀悼の誠をささげるべきだ」という高市氏の政治主張でしかない。

これはもっと突っ込まれるべき問題であろう。

高市氏がするべきことは「間違った戦前の国策に殉じた戦没者に対する謝罪」ではないだろうか。

別に戦没者は好きで国策に殉じたわけではない。

戦争に参加した人全員が英霊になりたくて戦争に行きたくていったわけではない。

死ぬより生きたかったと思う。

ほとんどの人間が戦争という非日常より毎日の生活という日常が大事だったと思う。

だから高市氏が本来発言するべきなのは

「戦前の間違った日本の国策によってあなた方を殉じさせたことは間違いでした。本当に申し訳ございませんでした。日本はそういった過ちにより、国策により殉じさせることは絶対しません。あなた方が安らかに眠れるよう私たちは一層努力しますと謝罪と誓い」記者団に語った。

ということだろう。

ただし、それは国家神道靖国神社の信者が発言したり考えたりするような内容ではないことは間違いなく、それこそ「破門(というのだろうか?)」されてしまうだろう。

閣僚や国家議員の靖国参拝は心の問題ではないのだ。

 

追記

毎回思うのだが、神社に奉納する真榊というのは本榊のことだろうか。

玉串料が十何万だったというニュースを聞いて、スーパーで5束200ぐらいで買える本榊と違ってどんだけ立派なんだと冗談で言ったことがある。

玉串料は本榊代ではなく宗教儀礼に対する料金なのである。

ちなみに玉串ってヒサカキのことも指すこともあるが、ヒサカキはほとんど仏用である。

真榊というのは祭具でそれを玉串という形で奉納したら宗教儀式なんですよ。

 

 

記事にして自らの品格を下げた良識のない産経の虚報記事をDisってみた

酷い駄文だった。

まさか駄文を使って駄文の批判をしないといけないとは思わなかった。

言論や報道の自由がこんなんで脅かされるきっかけになってしまうのはあまりにも情けなくなるような産経新聞の誤報・虚報だった。

【追跡~ソウル発】朴槿恵大統領が旅客船沈没当日、行方不明に…誰と会っていた?(1/8ページ) - 産経ニュース

朴槿恵大統領が旅客船沈没当日行方不明になっていた件についてのネタである。

元々の朝鮮日報のコラムを読んでいないので分からないが「少なくとも産経新聞が引用しているところ」を読むと、元々のコラムは朴槿恵大統領の国政運営が高い支持を得られるほど上手くいってないということを指摘しているようだ。

上手くいってないからこんなしょーもないウワサも出てくるんだという、朴槿恵大統領はもっと高い支持を得られるような国政運営をするべきだという批判と見て取れる。

そしてそんな「しょーもないウワサ」に飛びついて記事にするのが、我ら言論の自由の闘士みたくなっている産経新聞のソウル支局長加藤達也記者である。

そのウワサは「良識のある人」は、「口に出すことすら自らの品格を下げることになってしまうと考える」というほど低俗なものだったという。ウワサとはなにか。

 証券街の関係筋によれば、それは朴大統領と男性の関係に関するものだ。相手は、大統領の母体、セヌリ党の元側近で当時は妻帯者だったという。だが、この証券筋は、それ以上具体的なことになると口が重くなる。さらに「ウワサはすでに韓国のインターネットなどからは消え、読むことができない」ともいう。一種の都市伝説化しているのだ。

いかに朴槿恵大統領が支持されていないのかということを示すために、「良識のある人」は、「口に出すことすら自らの品格を下げることになってしまうと考える」というほど低俗なものに関心を寄せ、韓国のインターネット上ですら、もはや話題に登っていないような既に消え去っているようなレベルのネタを取り上げた。

そんな消え去るウワサは都市伝説にはならないと思うし、都市伝説についても加藤達也記者は知識はなかったらしく、単純に色々ウワサになっていると言いたいのでそう書いたようである。新聞記者なら自分の使う言葉に責任持てよとか思うのだが。

ともあれ、あくまで加藤達也記者は

おそらく、“大統領とオトコ”の話は、韓国社会のすみの方で、あちらこちらで持ちきりとなっていただろう

としておきたかったのだろう。

コラムの引用部分以外は結構加藤達也記者の本音が駄々漏れになっている。

というまあそれこそ「良識のある人」は、「口に出すことすら自らの品格を下げることになってしまうようなことに結論付けてしまう。

韓国:産経前支局長「弁護士に事件は政治的案件と聞いた」 - 毎日新聞

朴大統領と男性との密会に関するこのうわさについて「書いた時には本当ではないかと思った」と述べ「筆が滑ったとは考えていない」と強調した。

加藤達也記者はここでも大変なことをしてしまう。

 あくまで引用元が低俗なウワサのレベルで信用性がないような内容としていることを「裏付けもせず、取材もせず」、本当だと思って書いたのである。

筆が滑ったのではなく、素晴らしく低俗で信用性の薄いウワサであり、引用元ですらそういっているのに関わらず、「何故か」本当だと思って書いたのである。

というよりむしろ意図的に書いたのだろう。

前支局長手記 異様な「タブー」実感 言論の自由、狭量さ示した朴政権 (1/2ページ) - 政治・社会 - ZAKZAK

 報道官は「確認もせずに掲載した」とも言い放ったがそもそも青瓦台は7月、ソウル支局の名村隆寛編集委員が書いた次期駐日大使の内定人事を伝える記事に対して、「解禁指定日時を破った」として産経新聞に1年間の出入り禁止(取材拒否)を通告していた。

このへんの意趣返しとしての発想として取れないこともない。

だからといって加藤達也記者の記事は取材拒否されたから、裏付けや取材ができないので掲載したと正当化されるものではないというのが産経新聞がするべき主張だろう。

言論や報道の自由の立場から韓国の今回の決定を批判をするのは間違っていない。

産経新聞の加藤達也前ソウル支局長が「裏付けもなく、取材もせず、ただ引用元のコラムですら低俗で疑わしいと思っているウワサを読んで本当だと思って報道するために記事にした」ことについてはもっとメディア側から批判されるべきである。

加藤達也記者と彼の虚報・誤報をどうするか産経新聞のメディアの責任は果てしなく重い。嫌韓キャンペーンのために虚報や誤報により日韓関係の摩擦を大きくしたのであればなおさらといってしかるべきだろう。