兎ノ森とツクラレシ花 Usagino-Mori’s Diary

小企業勤めの小市民のちみっちいココロとノウで書いてみます(仮)

クマラスワミ報告書反論文書という名の黒歴史文書①

そんなにまあ、露悪趣味全開でドヤ顔ができるものだ。

厨二病全開の黒歴史文書を公開とか、むしろ悶絶もんだと思う。

こんな反論文書作るぐらいだったら素直にクマラスワミ報告に従っていた方が「日本の名誉」や「戦後の人権に対する日本の態度」を汚さないで済んだとしか思えない。

 

【阿比留瑠比の極言御免】クマラスワミ報告書に反駁 幻の反論文書を公開すべき(1/3ページ) - 産経ニュース

 

さすが産経新聞のエース。

日本の名誉とか利益を貶めても自社の売上のためなら、手段を選ばない(笑)。

普通こういうのを売国的行為というだと思うのですが、当の産経新聞が誰かに向かって売国だーとか言っていたり、「バイコク」「アイコク」と鳴くペットを飼っているので、一体何なんだこの新聞はとしか言い様がないのです。

まあ、「歴史戦」だのという中二も真っ青のタイトルの「黒歴史自己出版新聞社」として歴史に名を残すでしょう。 

しかも永久保存版とか言っとるし。

 というかアホだろ、このセンス。

しかし、政治的に言ってしまえば中二病全開の恥ずかしMAX発言も「立派な主張」になるというのはかれらががどんだけ劣化しているということの証拠かもしれない。

 ちなみに阿比留記者は取材もしないで捏造記事をお書きになって裁判沙汰になった上に、会社に損害を与えた素晴らしい記者です。

ああ、そういえば安倍晋三首相の発言についても独自のソースから捏造記事をおかきになっております。

なので従軍慰安婦問題について取材するには「産経新聞において」は最高の人材であろうことは間違いなく、「産経新聞以外の世界において」は最悪の人物です。

だからこそ、日本政府が慰安婦問題においてどう考えていたのかを考える上では公開すべきだと(偽)兎は思っています。

本来は語られるべきだった内容が思わぬところから日の目を見た。それは「日本が慰安婦問題をどう考えているのか」ハッキリさせておいた方が「国益だの何だのより大事だ」と考えるかで。

従軍慰安婦問題についての日本政府の考えを理解することは、今だからこそ重要なことでしょう。

さて、クマラスワミ報告者反論文書は国連人権委員会において反論しようとして、配布したはいいが、配布された国から「コレアカンやろ」といわれて、慌てて差し替えたといういわくつきの「黒歴史」文書です。

基本

俺は悪くない。世界が悪いんだ!

が根底にあり、

過去の俺の悪行は過去の国際社会の常識。

で貫かれている文書だからです。

要旨を簡単に言うと

  • 日本は従軍慰安婦問題を「今後の」女性の暴力の一般解決に対する教訓にしている。その証拠に基金をつくろうと言ったり、お金を出している。日本は取り組んでるんだ!ドヤア
  • 50年以上も前の従軍慰安婦問題で日本の話より、ユーゴやルワンダの話でしょ。もう話にあげんなや、クマラスワミ(激怒)
  • 「ざ~んねんでーしたー。サンフランシスコ平和条約及びその他に二国間条約結んだってことは、条約締結時に発覚していなかった事件や犯罪があってもチャラに出来るんだわ。これ国際法の常識。そんなこともわからんと締結したの?」
  • クマラスワミ氏の事実は嘘です。日本を批判したかっただけじゃねーの?だって日本政府の調査結果をそのまま発表しなかったから。
  • そもそも、植民地の人々や自国民は捕虜待遇は関係ないし(えええー)、戦前は奴隷は当たり前だったし、強姦とかOKってのが戦前の国際社会の常識だったし、そもそも条約結んでないので「そういうのOK」な軍隊なんです。
  • なおかつニュルンベルク裁判とか不当だし。(これは暗に訴えている)

「反論することで、かえって慰安婦問題の議論を起こしかねないと懸念したため」つまりは「こんなんだしたら問題がもっと悪化する」と思ったからでしょう。

その判断は正しい。

従軍慰安婦問題に触れてほしくない日本政府にとってそれは回避するべき事態であった。そういう判断はよくも悪くもよく分かるkれども。

ところがその判断も「慰安婦問題に対する日本政府の不実」と偽史作成に勤しむ擬似歴史を信奉する集団により無駄になそうである。

やめておいた方がいい。

あくまで幻として存在しなかったことにした方がよかったのではなかろうか。

彼らはそれすらも、もはや判断が付かないのだろう

 クマラスワミ報告書反論文書を手に入れて喜んでいた産経新聞および正論の編集者、さら言えば岸田外務大臣や山田国会議員ははちょろっと読んで「これでイケる」とか思ったのだろうか。

産経新聞の要旨では省かれているが、雑誌「正論」平成26年6月号ではとんでもないことが記載されている。

クマラスワミ報告書に対する日本政府の幻の反論文書とは、「女性の暴力に関する特別報告書(クマラスワミ女史)提出にかかる報告書付属文書1(E/CN.4/1966/53/Add.1)に対する日本政府の見解」というらしい。

どうすれば、こんなんでクマラスワミ報告に「反論」できると思ったのだろうというような内容にしか見えない。

順番に解説していこう。

 

その①

日本は従軍慰安婦問題を「今後の」女性の暴力の教訓にしている。その証拠に基金をつくろうと言ったり、お金を出している。日本は女性に対する暴力に対して貢献しているんだ!( ・´ー・`)どや

 

黒歴史反論文書の1.「女性に対する暴力」問題への我が国の取り組みでは

日本政府としても、旧日本軍の関与の下、多くの女性の名誉と尊厳がつけられたいわゆる従軍慰安婦問題を深く反省し、官民挙げてこの問題に誠実に対応するとともに、この問題を一つの教訓として、「女性に対する暴力」の問題一般解決のために国際社会に協力していくべきと考えている

と書かれている。従軍慰安婦問題は「女性に対する暴力の問題一般解決のため」の一つの教訓として「国際社会に協力していくべきと(日本政府)は考えている」ということだ。つまりは従軍慰安婦問題を解決することは女性に対する暴力の問題一般解決のための教訓になると主張している。だからわざわざ

昨年の国連総会において、我が国は、女性の暴力に関する基金をUNIFEM内に設置するための決議を提案し、採択されたが、今後この基金に応分の資金協力を率先して行っていく所存である。政府としては、今後とも国際社会と一致協力して「女性に対する暴力」の問題に取り組んでいきたい。

という文書を入れたんだと思われる。

じゃあ、もっと従軍慰安婦問題取り組むんだろうと思っていた時期が他の国にもあったんでしょう。

その②

50年以上も前の従軍慰安婦問題で日本の話より、ユーゴやルワンダの話でしょ。もう話にあげんなや、クマラスワミ(激怒)

工エエェェ(´д`)ェェエエ工ー

(1)特別報告者のマンデートではクマラスワミ報告書に従軍慰安婦問題が取り上げられたことが気に食わないようで

クマラスワミ報告者のマンデートは、「女性に対する暴力、その原因及び結果」に関し報告を行うことである。現在の国際社会においては、旧ユーゴ―、ルワンダの問題等、未だ有効な対策が講じられていない女性に対する暴力という深刻な問題が進行中であり、国際社会はこのような問題の解決を待ち望んでいる。にもかかわらず、クマラスワミ特別報告者は、50年以上前の出来事で、あって、かつ、日本政府が関連する条約などに従って誠実に対応してきている「従軍慰安婦」問題をあたかも現代における女性の暴力に関する最重要課題であるかのごとく最初の提出文書において取り上げており、極めて不当である。

要するに日本政府は「旧ユーゴ―」や「ルワンダ」における「女性に対する暴力」に対して目を向けさせることで、「従軍慰安婦問題」から目をそらさせようとしたのだ。

そもそも「女性に対する暴力、その原因及び結果」に対して特別報告者がマンデートされたのであれば、それに関することであれば、別に従軍慰安婦問題を取り扱うかどうかは特別報告者の権限の裁量であろう。

別に特別報告者は日本政府のパシリではないのである。

しかもちょっと前に「女性に対する暴力の問題一般解決」のための教訓にするといったのにもかかわらずこの発言である。

特別報告者も日本政府がそのようにすると思ったのであろう。

だから取り扱ったのだ。

なおかつ従軍慰安婦の問題が現代的な問題でもあることと考えていたともいえる。

大体日本政府が「旧ユーゴ―」にしても「ルワンダ」の話をするにしても、まずクマラスワミ報告に従い、従軍慰安婦問題を女性に対する暴力の問題一般解決のための教訓となるべく国際社会に協力してからの話ではなかろうか。

きちんと読めば、クマラスワミ報告はあくまでも女性に対する暴力の問題一般解決となるべく、従軍慰安婦問題については取り扱われている。

その③

「ざ~んねんでーしたー。サンフランシスコ平和条約及びその他に二国間条約結んだってことは、条約締結時に発覚していなかった事件や犯罪があってもチャラに出来るんだわ。これ国際法の常識。そんなこともわからんと締結したの?関連国馬鹿ですか?」

それは(3)法的議論の問題点(イ)にも記載されてる。

そもそも日本政府の主張は

いわゆる戦後処理のための平和条約において等においては、個人の損害を個別に検討しこれを合算して賠償額とする方法によらずに、関係国家間の合意により一定額を包括的な賠償額とみなして処理する共に、その他一切の請求権を相互に放棄する旨の規定、即ち、他に未賠償請求権があっても追求しないという「完膚条項」を設けることが一般的である。サンフランシスコ平和条約、その他二国間条約もこの方式に従って、個人の損害も含めて国家間において賠償等の問題を最終的に処理している。クマラスワミ特別報告者は、従軍慰安婦問題は平和条約などの交渉過程において言及されていないから元従軍慰安婦に対する補償は右賠償額等に含まれていないと主張しているが、これは上述した条約の規定及び締結国の意思を無視したものと言わざるを得ない。

というものである。

前出した日本政府の「関連する条約等に従って誠実に対応している」などという反論は、関連国をあきれさせただろう。

「関連する条約等を盾にして従軍慰安婦問題に対応して」いて何を言ってるんだ?

つまりは元従軍慰安婦個々人に対し直接補償を行うことは「サンフランシスコ平和条約及びその他の二国間条約」の規定及び締結国の意思を無視することになるといっている。

つまりは

サンフランシスコ平和条約及びその他に二国間条約の規定及び締結国の意思は、その当時言及されていようがいまいと、元従軍慰安婦個々人に対し直接補償を行ってはならないとのことなので、日本政府としてはそれを尊重せざるを得ない。」

 そんなことねーよ。

 (3)法的議論の問題点(イ)には他に

特別報告者の展開する個人的な主張は、旧連合国、アジア近隣諸国等と我が国が過去50余年にわたって国際法に則り誠実に対応してきた先の大戦の戦後処理ばかりか、各国が過去の戦争において行った戦後処理の法的枠組みによる解決が最終的なものであることも否定することになる。

従軍慰安婦個々人に直接賠償することは日本政府だけではなく、旧連合国、アジア近隣諸国いや世界の国にとってもつまりは「国際社会にとり到底受け入れられるものではない」と言っている。

日本の都合を世界の都合と拡大させ、

だって世界だってこまるだろうドヤァ

とかいったところで、

 なにいってんだ、お前?意味わからない

といわれてしまうだろうし、実際そうなって撤回したのだろう。

ここには日本政府の「従軍慰安婦問題が女性に対する暴力の問題の一般解決に対しての教訓にするための努力をする気がなく、女性に対する暴力の問題について国際社会を盾に取り組むことを拒否することができると考えていた」姿を見ることができる。

そりゃ批判浴びて当然だろう。しかも日本政府は特別報告者に対する中傷や誹謗している上に国際社会を中傷誹謗し、世界をバカにしているのかと言われても仕方のない反論をしているのだから。

その④

クマラスワミ氏のいう事実は嘘です。クマラスワミ氏は日本を批判したかっただけの人。だって日本政府の調査結果をそのまま発表しなかったから。

それが「第3章 事実面に関する反論」に書かれている。

ここが一番ひどい。

いきなりこれです。

1.日本政府は、以下のとおり、付属文書1がその立論の前提としている事実に関する記述は、信頼するに足りないものであると考える

 報告書全否定。

こことここが足りないというのではない。

「事実に関する記述は信頼に足らないというものである」と全否定している。

次にいきなり、特別報告者(ここではクマラスワミ氏)攻撃に入る。

 2.第1に、本件特別報告者の事実調査に対する姿勢は、甚だ不誠実である。

(1)本来、特別報告者は、そのマンデート事項につき、史料原典を幅広く収拾したうえ、これら資料を中立的かつ専門的立場から十分吟味、分析して報告を行うことが期待されているのである。

(2)本件付属文書第2章「歴史的背景」において、特別報告者は、旧日本軍の慰安所に関する歴史的経緯や、いわゆる従軍慰安婦の募集、慰安婦における生活等について記述しているが、同章の記述は、実は、ほぼ全面的に、日本政府に批判的な立場のG.Hicks氏の著書から、特別報告者の結論を導くのに都合の良い部分を抜粋して引用しているに過ぎない。

(3)特別報告者がこのような一般刊行物に拠する場合、特別報告者が、G.Hicks氏の著述内容について、自ら十分な裏付け調査を行わなければならないことはその職責上当然のことである。しかしながら、本件附属文書の場合、なんらそのような検証が行われた形跡がない。その上、引用に際し、特別報告者は、随所に主観的な誇張を加えている。このように無責任かつ予断に満ちた本件付属文書は、調査と呼ぶに値しない。

 

こんないい加減なもん出す、クマラスワミ氏と特別報告者として不適格なんじゃね?

と言っているのである。

大体、「報告書の付属文書だけが不適格」で「特別報告者が不適格人物だ」とか既に周りが見えていない日本政府の様子がよく分かる。

そりゃ、批判浴びるわ

そもそも

黒歴史文書は「ほぼ全面的に」「形跡がない」とか説明しているが、それなら当然日本政府は自らの立場に批判的なG.Hicks氏の著述に対する調査もしていたんでしょう。

なら、なんでクマラスワミ氏が日本に来た時ソレを説明しなかったんだって話になる。説明したのに聞き入れられなかったという話ではない、そもそもそういう話をするのはクマラスワミ氏が日本に来た時いうことであって今更であろう。

クマラスワミ氏は日本政府の招待で来日しているのであるし、調査については日本政府も協力しているのである。それについてクマラスワミ氏は感謝しているのにかかわらず、協力していなかったのである。必要な対応をしなかったという「国連の特別報告者に対して不誠実を国家として働いた」というまあすごいことをしていることになるのだ。

 しかも、歴史的背景についてもG.Hicks氏からの引用とはしているものの、日本政府が政府が黒歴史文書において肯定している内容が含まれているのである。

第2章 日本の取組み

〈略〉

2.いわゆる従軍慰安婦問題に関する調査と資料の公開

(3)日本政府は、これらの調査から得られた資料や証言を分析、検討し、その結果を、1993(平成5)年8月4日発表した。その骨子は次のとおりである。

慰安所が当時の軍当局の要請により設営された。

◯慰安書の設置、管理および慰安婦の移送について旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。

慰安婦の募集については軍の要請を受けた業者が主としてこれにあたったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、官憲等が直接これに加担したこともあった。

こっちはクマラスワミ報告書「歴史的背景」より

13.これらの女性や少女たちは、上海と南京のあいだにあった軍直営の慰安所で使われた。この慰安所は後の時期の慰安所の原型となり、利用規則とともにその写真が残されている。軍による慰安所の直営は、この現象がもっと広まるとともにより安定してきた環境では、慰安所の基本の形とならなくなった。慰安所を経営し所内の業務を引き受けたがっている民間業者が沢山いた。かれらは陸軍によって軍人に準じる身分と階級をあたえられた。軍は輸送と慰安所の全般的な監督についての責任をもちつづけたし、衛生や全体の管理は軍の責任であった。

14.戦争が続き東アジア各地を拠点とする日本兵の数が増えるにつれて、軍事的性奴隷にたいする需要も増大した。そこで徴集のための新しい方法がつくりだされた。そのうちには東アジアの多くの地域、とくに朝鮮における詐欺と暴力の頻繁な利用が含まれていた。名乗り出たおおくの朝鮮人慰安婦」の証言は、強制や騙しが頻繁に用いられたことを明らかにしている。(大部分は朝鮮人である)かなりの数の被害女性たちは証言のなかで、自分たちの徴集に責任のあるさまざまな業者や現地の協力者が用いた詐欺と甘言について語っている。/1

/1は日本政府が否定するG.Hicks氏の著書従軍慰安婦-日本軍の性奴隷たち』から引用しているが、黒歴史反論文書において「第2章日本の取組み2.日本政府が慰安婦問題に関する調査と資料の公開」において行った調査とどのくらい差があるだろうか。むしろ日本側が行った調査をクマラスワミ報告書が補完する形になっているように見える。

ここから考えられることは日本政府の資料や文書などの補完としてG.Hicks氏の著書や証言が用いられた、もしくはG.Hicks氏の著書や証言を肯定するものとして日本政府の資料や文書が存在したとは考えられないだろうか。

クマラスワミ報告序文より

また、特別報告者は、大韓民国および日本政府によって与えられた協力と援助にも感謝の念を表明したい。同国政府は、特別報告者が客観的かつ公平に人権委員会に対して報告するに必要なすべての情報と文書を入手するために、関係分野の人々と討議できるように取りはからってくれた。

 むしろ日本政府が協力して出した文書と情報がクマラスワミ報告書に反映されたのであって、「第2章 日本の取組み」の( ・´ー・`)どや顔と直前の自らの文章すら否定する「第3章 事実面に関する反論」の周りが見えていない興奮状態ををみると黒歴史文書感がより一層感じられる。。

.ちなみに第3章3からはもっとひどくなります。

長くなりますので続く!

 

追記 

ちょこっとだけ訂正しました。