読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

兎ノ森とツクラレシ花 Usagino-Mori’s Diary

小企業勤めの小市民のちみっちいココロとノウで書いてみます(仮)

クマラスワミ報告書反論文書という名の黒歴史文書④

のってるなー日本政府といわんばかりの第4章スタートです。

特に第4章は日本政府が以下にクマラスワミ報告書を曲解し、自己の主張に都合のいいように解釈しているよがりっぷりが目に見えて醜悪さが、いやんばかんなみに黒歴史文書っぷりを発揮しています。

のっけからからこれです。

なお、以下の理論は国際法の基礎知識として常識の範疇に属するものといえるが、国際法に精通していない法律家がしばしば陥りやすい盲点であるので注意が必要である。

自分以外が間違っているんですという主張がいやになるほど香ばしい。

(3)以上の諸点のとの関係で、法的論点に係る特別報告者の主張は法律的論理が欠如した主観的見解の表明であると言わざるを得ない。

(イ)詳細は後述のとおりであるが、条約への言及については、例えば、1929年の捕虜に関するジュネーブ条約に関する主張(パラ98)の如く、我が国が当事国でない条約を論拠として我が国の条約違反を主張したり(併せて当該条約の定める規範が当時において慣習国際法として確立していたことを立証しているのであればともかく、かかる立証を行っているわけでもない。)、1904年の醜業ヲ行ハシムル婦女売(旧字)買取締二関する國際協定に係る主張(パラ102)の如く、条約の規定内容を何等点検することなく短絡的にすべて「従軍慰安婦問題」に結びつけ我が国の当該条約違反を主張している。

(ロ)慣習国際法への言及については、何等の論拠を示すことなく慣習国際法であると主張しており、例えば1921年の婦女及び児童ノ賣買禁止ニ関スル國際條約に関する主張の如く、「諸国家の継続した慣行と法的・必要的信念」を何等検討することなく、また誰が論じているのかも明らかにしないまま、「同条約は、当時存在していた慣習国際法を示すものとして論じられている」旨述べている。

日本政府及び反論文書の作者はきちんとクマラスワミ報告を読んだのであろうか。

クマラスワミ氏はクマラスワミ報告の(パラ96)と(パラ97)において事務総長の見解をもとに法的責任を述べている。それも旧ユーゴスラヴィア国際刑事法廷と絡めてである。クマラスワミ報告に対してこのような反論する意味をわかっているのであろうか。事務総長にも喧嘩売ってどうしたかったのだろうか。

クマラスワミ報告

96.日本政府は、1949年8月12日のジュネーブ諸条約及びその他の国際法文書は、第二次大戦期間中には存在しなかったのであり、従って同政府にはは、国際人道法違反について責任がないと主張する。この点で、特別報告者は、旧ユーゴスラヴィア国際刑事法廷設置に関する事務総長報告書(S/25704)の第34節、第35節に以下のように書かれていることに、、日本政府の注意を喚起したい。

「事務総長の見解では、『法なくして、犯罪なし』の原則の適用をするためには、国際法廷において疑う余地なく慣習国際法の一部である国際人道法の規則を適用すべきであって、その結果、特定の条約に対してすべてのくにでなく一部の国だけが遵守するという問題は生じなくなる…疑いもなく慣習国際法の一部となった通常の国際人道法のその部分は、武力紛争に適用可能な法であり、戦争被害者の保護のためのジュネーブ条約(1949年8月12日)、陸戦の法規慣例に関するハーグ第Ⅳ条約及びその付属規則(1907年10月18日)、集団殺害罪の防止及び処罰に関する条約(ジェノサイド条約,1948年12月9日)、ならびに国際軍事法廷条例(1945年8月8日)に具体化されている。

97.事務総長にならって、本特報告別者は国際人道法のある側面は疑いもなく慣習国際法の一部であり、国は、特定の条約の調印国でなくても、これらの国際人道法に違反した責任を問われるものと考える。 

 

さらにクマラスワミ報告の(パラ98、99、100,101)について、日本政府は「諸国家の継続した慣行と法的・必要的信念」の存在がないので慣習国際法ではなかったと主張している。ちなみにパラ98、99、100、101の内容はこれである。

クマラスワミ報告

98.ジュネーブ第四条約第27条は、戦時下のレイプが国際戦争犯罪だとする原則を繰り返している。同条は「女性は、その名誉に対する侵害、特にレイプ、強制売春、その他あらゆる種類のわいせつ行為から特別の保護を受けるべきである」としている。戦場における軍隊中の負傷軍人の状態改善に関するジュネーブ条約は、1929年に施行され、日本は批准しなかったが、第3条で明確にこう述べている。「捕虜は、その身体及び名誉を尊重される権利を有する。女性は、その性にふさわしいあらゆる配慮をもって取り扱われなければならない……」

99.国際軍事法廷条例第6条(C)及び東京法廷条例第5条は、戦争前ないし戦時中に民間人に行われた殺人、殲滅、奴隷化、追放、その他の非人道的行為を人道に対する犯罪であると定義している。

100.これとの関係で、国際法委員会が第46会期の活動報告書で以下のように述べていることは重要である。「委員会は、慣習国際法上の戦争犯罪という範疇が存在するという広範な見解に同意する。その範囲は、1949年ジュネーブ諸条約の重大な違反の範囲と同一ではないが、重複する」としていることは重要である。

101.1949年ジュネーブ諸条約が時間的適用制限の原則のために慣習国際法の証拠とならないとみなされ、また日本は調印していない以上1929年ジュネーブ条約は適用できないとみなされたとしても、1907年陸戦ノ法規慣例ニ関スルハーグ条約には日本は加盟していた。すべての交戦国が条約の締約国でない場合は(第2条)、同規則は適用されないが、その条項は、当時機能していた慣習国際法の明白な実例である。ハーグ規則第46条は、国には家族の名誉及び権利を保護する責務があるとしている。家族の名誉には、家族の中の女性がレイプのような屈辱的行為を受けないの権利を含まれると解釈されてきた。

日本政府は恐ろしいことに「戦時下のレイプは国際戦争犯罪ではなく、女性は、その名誉に対する侵害、特にレイプ、強制売春、その他あらゆる種類のわいせつ行為から特別の保護を受けるべきではなく、当然軍にその責任はない」と当時の国際社会が考えていたと主張しており、さらに「捕虜は、その身体及び名誉を尊重される権利を有する。女性は、その性にふさわしいあらゆる配慮をもって取り扱わなければならない。そういったことは一般的に考えられていなかった」とも主張する。

そして「諸国家の継続した慣行と法的・必要的信念」がないため、故に習慣国際法でなかった。つまりには国際人道法は当時国際社会が認めていなかった。それが当時の世界の常識であり、旧日本軍も同じように考えていただけなのだと主張している。

つまり、戦争が終わるまでは

軍隊が来たら女性は逃げろ!捕虜になったら終わりだ。マジでヤバイ何をされるかわからん。(旧日本軍含め)なぜなら何をしても条約結んでなければ何をしてもいいからだ。

それが世界の常識であったと黒歴史文書は主張するが

それが当時の世界だけでなく、日本政府にとって大切な大切な旧日本軍の名誉をも十分貶めていると思う

日本政府は一体何を主張したかったのだろうか?よくわからない。

これを書きながら少し気になったことがある。

戦時中は占領されたら女性はレイプされ辱めを受けると政府は考え、国民にも同じような認識をさせたことをである。

戦後直後についても同じような発想でRAA(特殊慰安協会)まで設立したのは、つまりは戦時中及び戦後も日本政府及び旧日本軍はそういう認識のもとでいたからじゃなかろうかと思う。

しかし

旧日本軍及び政府がそうだったからといって

当時の国際社会がと同じ考えだった

と同意を求めても

そんなん誰も同意するわけがないでしょ

いや違った。橋下徹大阪市長は同意してたか(w

これだけではない。他にも

クマラスワミ報告

102.日本は、1904年の醜業ヲ行ハシムル為ノ婦女売買取締ニ関スル協定、1910年の醜業ヲ行ハシムル為ノ婦女売買禁止条約、1921年の婦人及児童ノ売買ニ関スル禁止条約を批准した。しかし、日本は、1921年条約第14条の特権を行使し、朝鮮をこの条約の適用除外とする旨宣言した。しかし、これは、朝鮮人でないすべての「慰安婦」がこの条約の下で日本がその責務に違反したことを主張する権利があることを示唆する。国際法律家委員会(ICJ)は/18、多くの事例でそうだったように、被害者がひとたび朝鮮半島から日本に連行された場合は、彼らに条約は適用可能になると論じている。これは、朝鮮女性の場合でさえも、多くの事例で、この条約の下で生じる国際責務に日本が違反したことを示唆する。また、この条約は当時存在した慣習国際法の証拠であるとも言える。

こちらを参考にするとクマラスワミ報告が一体何を問題視して、日本政府があえて曲解した上でトンチンカンな反論をしていることがよく分かる。


従軍慰安婦とは - はてなキーワード

醜業ヲ行ハシムル為ノ婦女売買禁止ニ関スル国際条約(大正14年条約第18号)

第1条 何人たるを問わず他人の情欲を満足せしむる為、醜業を目的として、未成年の婦女を勧誘し、誘引し、又は拐去(誘拐)したる者は、本人の承諾を得たるときと雖(いえども)・・・罰せられるべし。

 第2条 何人たるを問わず他人の欲情を満足せしむる為、醜業を目的として、詐欺に依り、又は暴行、脅迫、権力乱用その他一切の強制手段を以て、成年の婦女を勧誘し、誘引し、又は拐去したる者は・・・罰せられるべし。

吉見義明従軍慰安婦』p164.165)

読めば分かる話である。

しかし日本政府は(5)において

日本帝国陸軍により設置された慰安婦制度が国際法上の義務違反であると主張しているところ、そもそも右が売春を目的とするものであるか否かの議論はさておき、醜業不売買の規制に関する一連の条約との関連では、売春宿の経営や売春のための場所の提供を処罰の対象としたのはあくまで1950年の条約が初めてであるところ、1950年の条約により創設された規範が1904年、1921年の条約作成時点においても有効であったとの遡及効果を認めることにはやはり無理があるのであり、あくまで適用しようとする行為が行われた時点における当該規範の内容を逐一点検する必要があるのである。一般に、条約の作成時点において所定の規範に照らして合法とされた当事者の行為が、時代の変遷にと共に同規定の内容が精緻化された後に違法とされることは著しく法的安定を害するものであることは言うまでもない。

と、クマラスワミ報告のパラ102における国際法上の責務の違反内容を「売春宿の経営や場所の提供が問題とされてる」とあえて1950年の条約に合わせて曲解し、問題を回避しようとしている姿がよく分かる。

(5)なお、条約又は慣習国際法に基づく一定の規範が確立している場合であっても、その具体的対象事項及び権利などの実現のための手続きが時代とともに変化し、精緻化していく場合もある。かかる傾向は、特に、人権・人道関連条約に多く、戦争における悲惨な経験等を踏まえて徐々に対象事項が具体的になり、また権利等の実現のための手続きが整備され、精緻化していくのである。例えば、後に詳述するが、醜業婦売買の規制に関する一連の条約は対象事項の精緻化の典型的な具体例として挙げられよう。即ち、1904年の醜業ヲ行ハシムル等婦女賣買取締二関スル國際協定は、外国における醜業を目的とする婦女売買に関する関係国間の情報交換等につき規定するにとどまっていたものが、1910年の醜業ヲ行ハシムル等婦女賣買取締二関スル國際条約及び1921年の婦人及児童ノ賣買禁止二関スル國際条約では醜業目的の婦女誘引者等の処罰につき規定され、更に、1950年の人身売買及び他人の売春からの搾取禁止に関する条約では、売春宿の経営や売春のための場所の提供をも処罰の対象とするようになり、徐々にその内容が精緻化されていった点に注目する必要がある。

日本政府は「諸国家の継続した慣行と法的・必要的信念」の存在があるからこそ、醜業婦売買の規制に関する一連の条約は内容が精緻化されていったと考えられなかったのか、これもやはり責任回避するには稚拙であるとしか言いようが無いと思う。

その挙句が(5)のこれである。

人権侵害を受けた被害者又はその家族による加害国家への補償請求を可能とする法の遡及適用を認める議論はおよそ過去の戦争により人権被害を受けた被害者又はその遺族はすべて加害国家に対して補償請求を行うことが可能であると結論を招くことになるが、世界史における数々の戦争の被害者の遺族等が今日、加害国家に対して補償請求権を行使することができるとすることが、現在の国際関係を根本的に混乱させるものであることは論を待たないのであり、また、かかる事態を招くような規範が国際法として確立していることにつき、国際社会の多数の国が同意乃至許容していると考えることは根本的に無理があるのである。 

この主張はしかも人権委員会において人権委員会にも喧嘩売ることを意味する。

なぜなら(パラ118)において

クマラスワミ報告

118.人権委員会はまた、個人の賠償への権利の問題を解明することに関心を表明している。その決議1995/34で、同委員会は、差別防止少数者保護小委員会が、同小委員会の基本的自由と人権の重大な侵害被害者の原状回復、賠償及びリハビリテーションへの権利に関する特別報告者の最終報告書(E/CN.4/Sub.2/1993/8,chap.IX)が提示した基本的原則及び指針に考慮を払うよう奨励した。

 とことわった上で人権委員会がテオ・ファン=ボーベン重大人権侵害報告書における基本原則及び指針をを考慮して(パラ118~122)は成立するからであり、それは人権委員会が奨励した基本原則及び指針であるからだ。

それを真っ向から否定して日本政府は何を主張しているのだろうか。

クマラスワミ報告

123.法的責任を主張しようとするいかなる試みも遡及的適用であると暗に反論する日本政府の基本的主張に対しては、国際人道法は慣習国際法の一部であるとの反論がなされるであろう。この点で、「この条のいかなる規定も、国際社会の認める法の一般原則により実行の時に犯罪とされていた作為又は不作為を理由として裁判しかつ処罰することを妨げるものではない」と定めている、市民的及び政治的権利に関する国際規約第15条第2項に留意することが有益であろう。

124.時効があるに違いないとか、あるいは第二次大戦後約50年も経ったという議論もまた、適切でない。被害者の権利尊重の立場から、犯罪に関する法、政策及び慣行は、時効を認めない。この関係で、原状回復への権利に関する特別報告者は、その報告書で、「人権侵害のための実効的救済が存在しない間の期間に関しては、時効は適用されてはならない。重大人権侵害の請求権に関しては、時効に従うものとされてはならない」/25と述べている。

わざわざそれについて触れている。

なのに天然なのかワザとかと言うと間違いなくわざととしか言うべき結論を導き

(6)具体的には、特別報告者は、その主張の一環として1949年のジュネーブ条約等の戦後の国際法を根拠に戦前及び戦中の行為が違法であったとの主張を展開し、我が国の国家責任を結論付けており(パラ96及び97)、また、前出のどおり醜業婦売買の規制に関する一連の条約を挙げたり(パラ102)、更に、ヘーグ陸戦規則第46条の「家の名誉及び権利」についても既にその内容として女性が屈辱的強姦を受けない権利が含まれていたと断定した上で(パラ101)、右権利に基づき個人としての補償請求権まで認めれると主張している。

この主張が国際社会に認められることはない。

なぜならクマラスワミ報告を「曲解」して「日本政府の主張に基づいた捏造」して、報告書ならびにクマラスワミ氏、人権委員会、事務総長を非難しているのだ。

これがⅠ.特別報告者報告書付属文書1に係る国際法上の基本論点の整理の内容だ。

 しかし

「いやー日本政府は国際法詳しいなあー、俺らわかってなかったんやな」

とかなると思っていたんだろうか。常識的にまず間違いなく

喧嘩売ってんの?お前ととられると思うんだが。

日本政府の主張は

クマラスワミ報告どころか事務総長、人権委員会すら

「お前ら間違っとる。国際法分かってないくせに何言ってんねん。日本が正しいねん」

 ということだからだ。またクマラスワミ特別報告者に対して、日本政府が主張した反論の焼き直しどころか繰り返しての主張である。

もはやクマラスワミ報告ですでに切り捨てられたものを未練がましく繰り返して再提出する。一体何を理解しているのであろうか。

忘れないでいて欲しいのだが、あくまで日本政府の立場は

日本政府としても、旧日本軍の関与の下、多くの女性の名誉と尊厳がつけられたいわゆる従軍慰安婦問題を深く反省し、官民挙げてこの問題に誠実に対応するとともに、この問題を一つの教訓として、「女性に対する暴力」の問題一般解決のために国際社会に協力していくべきと考えている。

昨年の国連総会において、我が国は、女性の暴力に関する基金をUNIFEM内に設置するための決議を提案し、採択されたが、今後この基金に応分の資金協力を率先して行っていく所存である。政府としては、今後とも国際社会と一致協力して「女性に対する暴力」の問題に取り組んでいきたい。

ということ、この問題を教訓として女性の暴力の問題一般解決のために国際社会に協力していく立場である。あくまでとにかく自国の反論の正当化を主張してどうなるのか、全く意味がわからない。

さて次回は本格的に独善的で自国の主張を中心に世界に喧嘩を叫ぶ日本政府のコメントⅡ.特別報告者付属文書Ⅰの個別の法的論点に対する具体的コメントに移ります。