兎ノ森とツクラレシ花 Usagino-Mori’s Diary

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河野談話もアジア女性基金も慰安婦問題の解決にならなかったわけの一つ

河野談話検証報告書のアジア女性基金についてからかなり杞憂していたことがやっぱり現実だったことがわかった。

元女性基金理事の大沼保昭氏 韓国の慰安婦問題対応に絶望 Chosun Online | 朝鮮日報

元女性基金理事の大沼保昭氏 韓国の慰安婦問題対応に絶望 - 聯合ニュース -

「韓国の強硬姿勢に絶望」 アジア女性基金の元理事 - MSN産経ニュース

 

河野談話検証報告書」においてアジア女性基金は日本の善意と努力が踏みにじられたんだ、フィリピンやオランダについては評価されたけど韓国では被害者団体と韓国メディアのせいでうまいこといかなかったと非難している。

韓国のメディアは「基金」事業を非難し、被害者団体等による元慰安婦7人や新たに「基金」事業に申請しようとする元慰安婦に対するハラスメントが始まった。被害者団体は、元慰安婦7人の実名を対外的に言及した他、本人に電話をかけ「民間基金」からのカネを受け取ることは、自ら「売春婦」であったことを認める行為であるとして非難した。また、その後に、新たに「基金」事業の受け入れを表明した元慰安婦に対しては、関係者が家にまで来て「日本の汚いカネ」を受け取らないよう迫った。

 

じゃあなんで「韓国メディア」と「被害者団体」はそう言ったのか。

ちょっとウィキペディアの「慰安婦の年表」を見てみた。

(まあ、年月の間違いはないだろうと考えてだがもしかして期待のし過ぎかもしれないけど。)

 

慰安婦の年表 - Wikipedia

 

これで見るとアジア女性基金が1995年7月15日に発足した直後である8月15日、政権与党の一つである自民党のある出版物が存在する。

 

政権与党がいきなり否定しております。

 

その後96年の動きは御存知の通り「慰安婦公娼だった」論が始まります。

96年の年表はほとんどのその動きで埋まります。

そうです、藤岡信勝氏や小林よしのり氏を中心としたいわゆる「新しい教科書を作る会」や「自虐史観自由主義史観」ってやつです。

 

当然韓国メディアにしても、被害者団体にしても発足直後のイミワカラン出版物に対して知らなかったとしても、この動きは当然見えていたでしょう。

そりゃあ97年1月にアジア女性基金による償金の支給が始まったもそりゃあうまくいかないだろう。

河野談話村山談話の直後、いきなり「慰安婦公娼だった」「慰安婦なんぞいない」とか否定論者が湧き出てきて、しかもそれが政権与党内の議員から出ているし、しかも議員連盟が出てきたら、韓国メディアは問題視するし、被害者の支援団体は警戒するし、被害者に対しても「受け取ったらあなたは自由売春といわれ、終わりになる」と警戒するのも当たり前じゃなかろうか。

 

総理大臣からの謝罪の手紙についても、償い金がきたとしても。

その意味は変わってくる。

 

韓国との関係は良好としたいが、「謝罪や賠償をしたくない」日本政府からなんとか「謝罪や救済」をなんとかひきだそうとした「アジア女性基金」の努力は大変だったと思うし、それについては評価すべきだと思う。

慰安所問題の被害者の現状を変えようとした「アジア女性基金」の努力は「慰安婦問題の被害者に公式の謝罪や賠償をしたくない日本政府」からなんとかし「謝罪と賠償」を引き出し、出来る限り公式にしようとして失敗したと考えられないだろうか。

 

自分は悪くない。けどそれでは通らないから謝罪とお金を払いますということなのだ。

しかも不十分。

 

身内に足を引っ張られて満足な補償が出来なかった場合、足を引っ張った身内ではなく不十分な補償を拒絶した相手に切れるのは正しいのか? - 誰かの妄想・はてな版

の主張の通りなんです。

 

元女性基金理事の大沼保昭氏 韓国の慰安婦問題対応に絶望 - 聯合ニュース -

 

大沼氏は慰安婦被害者の不幸な出来事をどうにかして払拭することを考えなければならないと指摘。その一方で、慰安婦問題がいつからか極度に政治化してしまったと説明した。

 村山富市政権の1995年に発足した同基金は民間などの募金を基にしていたこともあり、韓国社会の一部から日本政府の責任回避の手段と批判され、償い金の受領を拒否する被害者が相次いだ。

 大沼氏は第2のアジア女性基金を提案することは可能かとの質問に対し、日本国内には、いくら謝罪しても韓国は満足しないだろうという雰囲気があるとした上で、現在の日本の雰囲気では提案を出せないだろうと述べた。

 また日本が慰安婦問題の解決を目指そうとしたことについて、韓国側があまりにも評価しなさすぎたため日本側はダメージを受けたと紹介。朴槿恵(パク・クネ)大統領が、このことを十分に理解しているかどうか懸念しているとの見解も示した。

 さらに、朴大統領が日本に対し慰安婦問題でこれまでよりも強い謝罪を要求すれば、日本社会が許さないだろうと指摘。韓国政府が現在のような強硬姿勢を続けるなら、得られるものはないのではないかとの考えを示した。

 大沼氏は韓国内の元慰安婦支援団体にも言及。慰安婦問題を反日問題にしたことで、問題が変質してしまったと主張した。

だから大沼氏や「河野談話検証報告書におけるアジア女性基金」についても本来語られるべき、河野談話からアジア女性基金における日本国内の否定論者の運動についてもっと批判されるべきだし、語られるべきであった。

日本政府が否定論者に政府の見解と反する論議についてはせめて「不快感を示し、遺憾の意を表明し」非難したとしなければならない。

それが欠けた。

経緯を見ると少なくとも極度に政治問題化させたのはあくまで日本の否定論者と乗っかった政治家やメディアであって(つまりは正当化)、それに反発したりするのは当たり前だ。

「日本が慰安婦問題の解決を目指そうとした」のはあくまでも「日本のガラパゴス慰安婦問題を韓国に納得させようと」だけであったのだ。

 

1.被害者であると認定すること

2.被害者が悪いのではないと認定すること

3.十分な謝罪と賠償を行うこと

4.真相を究明しすること、処罰が必要な場合処罰すること

5.被害者を誹謗中傷する行為を行わないこと

 6.二度と起こらないようにし、周知すること

 

これを拒否した日本に慰安婦問題の解決をしようとしたという評価は難しい。

「日本は解決策を早く示せ」 慰安婦問題で韓国外務省が論評 - MSN産経ニュース

韓国外務省報道官は30日、慰安婦問題について「日本政府は問題の本質と性格を直視し、進行中の局長級協議で被害者が納得できる具体的解決策を早く提示するべきだ」との論評を発表した。

 韓国の憲法裁判所が元慰安婦の賠償請求で韓国政府が措置を講じなかったのは違憲との判断を示してから30日で3年となることを受けた論評。

 論評は、慰安婦問題をめぐる河野洋平官房長官談話検証の後続措置との名目で「被害者の名誉と尊厳を傷つける言動は控えるべきだ」と強調し、新談話作成などの動きをけん制した。

 

 「日本政府は問題の本質と性格を直視し、進行中の局長級協議で被害者が納得できる具体的解決策を早く提示するべきだ」

「被害者の名誉と尊厳を傷つける言動は控えるべきだ」

 

とした韓国政府はそんなに強硬姿勢だろうか。

しかし大沼氏にとってそれは日本には受け入れられないことなのだとしている。

それは強硬姿勢になるのだ。